亜樹の萩尾望都作品感想ブログ

*盛大にネタバレしております。記事を探すにはトップのカテゴリー一覧からどうぞ 

記事(26)(33)(34)(35)に画像を追加しました

ポーの一族」イラスト集に画像を追加しました。ぜひご覧くださいませ ♪

 

シックなエドガーの年賀状です。記事の先頭にあります。

(26)「ポーの一族」イラスト集~綴じ込み付録③ - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

 

エヴァンズの遺書 前編」のモノクロ予告2点の完全バージョンです。

(33)「ポーの一族」イラスト集~予告・表紙・合同扉絵⑤ - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

 

「はるかな国の花や小鳥」の表紙カットの白背景バージョンです。

(34)「ポーの一族」イラスト集~予告・表紙・合同扉絵⑥ - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

 

「エディス 後編」の新しいモノクロ予告です。

(35)「ポーの一族」イラスト集~予告・表紙・合同扉絵⑦ - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

 

 

(41)「ポーの一族」イラスト集~「'76ポーの一族カレンダー」

続いては『別冊少女コミック増刊ちゃお』1976年1月号の付録だった「'76ポーの一族カレンダー」のイラストです。
保存されていた方から貴重な画像をご提供いただきました。
M様、どうもありがとうございました!


このカレンダーをめぐる顛末を書いております。よろしければどうぞ ♪

(8)幻のカレンダー - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記


特に記載のない限り出版元は小学館です。
このイラスト集は旧作のレアなイラストをご紹介してファンの方にポーの世界をより楽しんで頂きたいという思いで作りました。萩尾先生ならびに小学館様より削除のご要請がありました場合は速やかに削除いたします。

 


カレンダー部分のイラスト


絵柄は4種類あります。続けてどうぞ!

f:id:mimosaflower:20180526175207j:plain

f:id:mimosaflower:20180526175208j:plain

f:id:mimosaflower:20180526175205j:plain

f:id:mimosaflower:20180526175206j:plain

もう、どの絵もいつまでも眺めていたいくらい素敵ですね!
エドガーとメリーベルは上品で麗しく、おそらく原画はかなり小さいと思われるのですがレースやドレスが繊細で美しいです。
アランは普通の少年っぽくて可愛いし、ギムナジウムはまさに「ロマンチック映画の子役みたい」!


私はアランの抱えているパンがどうも気になるんですけど、これはやっぱり自分達でハチミツをつけて(エドガーはつけないかもしれないけど)食べるのでしょうか?
でも3本もあるから誰か人間のお客さんのためなのかも。
あ、エディスとピクニックにでも行くのかな。

 


星占い扉絵

f:id:mimosaflower:20180526175209j:plain

描かれているキャラクターは右上から時計回りに下のとおりです。
ポーシリーズ以外のキャラクターもいます。
名前の右の日付は公表されている誕生日で、他のキャラクターはそれぞれのイメージやデザイン上の都合で配置されているのではないかと思います。


1 牡牛座 TAURUS エドガー(5月12日)

2 双子座 GEMINI ルカとアロイス?

3 蟹座 CANCER アラン

4 獅子座 LEO ライオンと男の子

5 乙女座 VIRGO シーラ

6 天秤座 LIBRA 男爵

7 蠍座 SCORPIO ユーシス

8 射手座 SAGITTARIUS メリーベル

9 山羊座 CAPRICORN エーリク(1月1日)

10 水瓶座 AQUARIUS オスカー(2月14日)

11 魚座 PISCES キリアン

12 牡羊座 ARIES マチアス

 

双子座はルカとアロイスか、はっきりとはわかりません。
獅子座の子も誰なのか不明です。
もしかしてと思うのは1976年の『週刊少女コミック増刊フラワーデラックス』に萩尾先生の「ポーの一族」構想メモの写真が載っていて、その中ではマチアスがレオンハルト(レオ)という名前でエーリクに似た男の子になっているので、その子かもしれません。
ただ、双子座も獅子座も特定のキャラクターではないイメージ画の可能性もあります。


この絵は『萩尾望都対談集1970年代編 マンガのあなたSFのわたし』(2012年 河出書房新社)の表紙に使われています。
また、2015年に開催された『銀の船と青い海』出版記念原画展では、この絵を大きくプリントしたTシャツが販売されました。


残念ながら表紙の画像はご用意できなかったのですが、検索すれば見つかると思いますのでどうぞお試しくださいね。


からしつこく言い続けていますが、私はこのカレンダーをぜひ復刻してほしいのですよね。
来年1月発売の「ポーの一族」プレミアム本の付録にしてもらえたら最高なんですけど。
それか来年のカレンダーとしてブルームアベニュー(小学館少女まんが誌公式通販サイト)で販売してもらってもいい。
『flowers』のアンケート葉書にもしっかり書きました。
小学館様、どうぞよろしくお願いいたします!

 

 

(40)「ポーの一族」イラスト集~「1ページ劇場」

久々の「ポーの一族」旧作イラスト集、まずは2つの「1ページ劇場」をご紹介いたします。
「1ページ劇場」については過去にも記事を書いておりますので、よろしければ併せてご覧くださいませ。

(19)「1ページ劇場――ポーの伝説によせて――」 - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記


特に記載のない限り出版元は小学館です。
ほとんどが古い雑誌のコピーの画像ですのでコンディションが良くないものもあります。どうぞご了承ください。
このイラスト集は旧作のレアなイラストをご紹介してファンの方にポーの世界をより楽しんで頂きたいという思いで作りました。萩尾先生ならびに小学館様より削除のご要請がありました場合は速やかに削除いたします。

 


「1971年12月10日のひとりごと」


別冊少女コミック』1972年2月号

f:id:mimosaflower:20180526175202j:plain

裏写りしているのが残念ですが、エドガーとメリーベルが初登場した記念すべきイラストポエムです。
詩と左下の吹き出しの文字は次のとおりです。


「青いぼくたちの世界へおいで
霧とたそがれの ぼくたちの世界へおいで
きみには 永遠の命をあげよう
ただ その白いうなじに
一度だけの キスを許してくれるのなら…

血とバラと
伝説と恐怖の中に住む
われら 吸血鬼の一族に
きみも くわわりたまえ

…さあ …手を…だして…」

 

「筆者は吸血鬼(バンパイア)の兄妹のお話をかきたくて うずうずしてるのです。12. 10」


吹き出しの「吸血鬼」には「バンパネラ」ではなく「バンパイア」とルビが振られていますね。
バンパネラ」は萩尾先生の造語なので、作品発表前のこの時は「バンパイア」の方が通りがいいと思われたのかもしれません。
ちなみに作品中に初めて「バンパネラ」という言葉が登場したのは2作目の「ポーの村」です。


この「1ページ劇場」にはタイトルがありませんが、1976年の『週刊少女コミック』増刊号に再録された時にタイトルが付けられました。
それが下の画像です。


『週刊少女コミック増刊フラワーデラックス』1976年8月刊

f:id:mimosaflower:20180902173343j:plain

右下にあった「萩尾望都」の名前が消され、その下に「――1971年12月10日のひとりごと――」というタイトルが加えられています。
また、絵の上にあった「1ページ劇場」の文字が右側に移動しました。
詩は同じですが最下行の「だして」が「出して」と漢字になり、アキが一部詰められています。


デビュー40周年原画展で展示されたのは、この原画のようです。
下が図録の画像です。


『デビュー40周年記念 萩尾望都原画展』
(2009年 「萩尾望都原画展」実行委員会/トラフィックプロモーション:発行・販売)

f:id:mimosaflower:20180526175203j:plain

萩尾先生の手書きの文字の上に活字が貼り付けられているのがわかります。
「1ページ劇場」の文字はありません。

 


「ポーの伝説によせて」


別冊少女コミック』1974年12月号

f:id:mimosaflower:20180526175204j:plain

画像が見づらくて大変申し訳ありません。
詩は次のとおりです。


「――ポーの伝説によせて――

――昔むかし オオカミの出る山中に 金毛の兄弟が住んでいました
――明るい五月に少女は 青い目の少年に プロポーズしました
――シャーロック・ホームズふうの 帽子をかぶった紳士は バスのなかで 彼にほほえむ少年を 見ました
――戦争のすこしまえ ロンドンで殺人事件が起こりましたが 死体が見つかりませんでした
――オズワルド・エヴァンズは きみょうな遺書を残しました
――アランは エドガーが出かけたので 雨の日の一週間 ひとりでるす番をしなければ なりませんでした
――古城の城主は 川を流されてきた少年の死体が 生きかえるのを見ました
――幸福な婦人は バラの庭で 恋人の帰りを待っていました
――炎のなかで ひとりの少年が 燃えて消滅しました

萩尾望都


記事(19)にも書きましたが、この詩は第2シリーズの各作品の内容を表しています。
門の向こうに謎の少女が佇んでいるのがおわかり頂けるでしょうか。
この娘は一体誰なんでしょうね?


「ポーの伝説によせて」はまだ一度も再録されたことがないようです。
2つの「1ページ劇場」をぜひ一緒に単行本などに収録して頂きたいものですね。

 

 

(39)「ユニコーン Vol. 2 ホフマンの舟歌(バルカロール)後編」

今回も激しくネタバレしております。ネタバレNGの方は申し訳ありませんが作品をお読みになった後で、ぜひまたいらしてくださいね ♪

 

ユニコーン」も第3回。ベネチアでのサンタルチアコンサートの続きです。
今号も盛り沢山の内容でした。
回を追うごとにどんどん話が広がってきて、感想も「一体何から書いたらいいの!?」という状態に。
そしてどんどん長くなる(汗)


でも、まずは一言言わせてください。
今号はアランの絵がどのコマもきれいで、ものすご~く嬉しいです!
中でも一番好きなのが、こちらの扉絵。エドガーも素敵です♪

f:id:mimosaflower:20180805160325j:plain

小学館『flowers』2018年9月号より)


エドガーは普通にエドガーなんですが、アランが柚香アランに見えてしまうのは私の目のせい?
まあ、それは置いといて。
ピアノに向かうエドガーとピアノに寄りかかるアランが、キーの高さの話をしている。
何気ないポーズや表情がとても自然で穏やかで、何だか久々に2人きりの平和な日常風景を見るような気がして、しみじみ嬉しくなってしまいました。


画面上部の音符と光は前ページから次ページの見開きまで流れるように続いていて、ジュリエッタの心と重なり合っていますよね。
逃げ出したいほど緊張していたジュリエッタがバルカロールの調べに誘われて部屋を覗くと、ネコとオオカミの仮面の少年達が歌っている。
ジュリエッタの目にそれはきっと、ホッとできる光景に映ったことでしょう。
そして思わず歌い出す。
前ページの寄せては返す波が扉絵と繋がって消え、心がどんどん明るくなっていく。
見事だなあと思います。


でもエドガー達はどうしてバルカロールを歌っていたのでしょう?
前号のラストでエドガーが仮面をつけて「ウッフッフ」と笑っていたので、私はジュリエッタの緊張をほぐそうと計画したのかなと思ったのですが、読み返してみたらエドガーはジュリエッタに会っていませんでした。
サルヴァトーレとバルカロールの話をして、ちょうどピアノと楽譜もあるし、時間潰しに歌ってみようとアランを誘ったのかな。


アランがエドガーより高い声を出せるというのは新事実でしたね。
いや、何となくそんなイメージはありましたけど。
エドガーもエルゼリに「あなたはテノールね いい声だわ」と言われていましたが、アランの方がもっと高いんですね。


4ページ目の2人が並んで立っているコマでは、エドガーの方がかなり背が高い…と言うよりアランの方が低くなっていて、あれれ?っていう感じです。
旧作でも「春の夢」でもほぼ同じ背格好だったのに、前号のラストでアランの方が若干低くなってるかなあと思ったら、いきなりこの身長差。
新シリーズのアランはピュア&イノセント路線なので小柄な方がイメージに合うからかな。
でも次にはまた元に戻っているかも。

f:id:mimosaflower:20180806211048j:plain

(同 P. 82より)


さて、この後の物語には3つの山があります。


エドガーがルチオ一族の始祖と対面する
アランが「ダイモン」の本名を知る
サルヴァトーレとエステルの愛が蘇る


ここからは、これらの感想を順番に書いていきたいと思います。


・* 1.エドガーがルチオ一族の始祖と対面する *・


始祖の名はシスター ベルナドット。
男ばかりのルチオ一族の始祖が女性なのも驚きなら、紀元前から生きていて大老ポーと関わりがあったことにも驚きです!


2人はギリシャの出身で、ベルナドットは巫女、大老ポーは神官。
国が滅び、ナポリやローマに逃れて神殿の神職に就くもローマ皇帝キリスト教を国教としたため追われ、ポーは北へ逃れるがルチオはベネチアに留まった――。
そういえば大老ポーは「春の夢」で「オットマーはナポリギリシャ系の別の一族だ」と言い、「メリーベルと銀のばら」では「わたしたちはローマの灯を見 フィレンツェの水を渡り ともに咲けるばらを追った」と言っていましたっけ。


ルチオの起源を知ることはポーの起源を知ることにもなって面白いのですが、まだわからないこともあります。
例えばエドガーとベルナドットはこんな会話を交わしています。


「ルチオは… “眠れない一族” から派生した…?」

「そうだ 我が家系の病の変異が もとらしいからな
…発病した者を選んで仲間に加えている…」


えーと、つまりベルナドットはオットマー家の “眠れない病” の変異によってヴァンピールになった…ということ?
いや、“眠れない病” は男性だけがかかる病気で、ベルナドットは女性だから発病しないはず。
もしや実は男だったとか? 今も見た目、男っぽいし。
いやそっちじゃなくて、ベルナドットの変化と病とを切り離して考えるべき?


そして大老ポーは同じ病だったとは思えませんが、どうして変化したのでしょうか。
まさか神話の領域にまで踏み込んで、“アポロン神の為せる業” なんてことはないですよねえ?
あっ、でも大老エナジーはローレル(月桂樹)の花の香り。
月桂樹はアポロン神の霊木だそうですが…えっ、まさか!?


2人以外にも変化した巫女や神官がいるのか、それぞれの一族は根本で繋がっているのかなど、謎は今後解明されていくのでしょうか。
それとも謎のままにしておかれるのでしょうか。


ルチオ一族は20~25人で、古代の予言書などの管理をしているそうで。
前号でサルヴァトーレが「リド島のボロい修道院に生息してる」と言っていましたが、そこを根城に皆で古書の整理をしているのでしょうか。
とすると、ベネチアやチェスターにあるホテルのスタッフは普通の人間?
支配人クラスが一族か、一族に通じた人間なんですかね?


更にルチオ一族は15世紀から連絡係を通じてバチカンと取引しているという衝撃の事実!
Vol. 1でファルカが「ダイモン」のことを「バチカンからも人間からも仲間からも嫌われてる」と言っていて、なんでバチカンが出てくるんだろう?と思っていたのですが、ここに繋がったわけですね。


連絡係は60歳で交代し、望めばルチオ一族に加わることができる。
じゃあ望まなかった者はどうなるのか。
加わらない選択をしたペペ神父がずっと泣き続けているので思わず物騒なことを想像してしまいましたが、30年も秘密を守り続けてきたのですから危害を加えられることなく平穏な余生を送れますよね、きっと。


ペペ神父の涙は、不老不死となった元連絡係の旧友・ガロ神父と再会して、懐かしさと同時に畏怖の念に打たれたからかな、と思います。
一族に加わるかどうか多分直前まで逡巡していたのだろうと思うのですが、ガロ神父の変わらない姿を目の当たりにして、この人は本当にもう人間ではなくなってしまったのだと実感し、わが身に置き換えて自分は限りある生を全うしようと決断したのではないでしょうか。


新しい連絡係になるであろうアマティ神父が、今後の物語にどんな影響を及ぼすのかにも注目したいです。

 

ベルナドットがエドガーを呼び出したのは、エドガーが子どもでありながら200年も生きている希少な存在なので一度会ってみたかったからでしょうか。
大老ポーの直系だから、というのも理由かもしれません。
でもルチオ一族に引き取ってもいいと言うのは、私には単なる親切心とは思えません。
エドガーが去った後で「……あの方は…来た?」と聞いていますが、「あの方」とは大老ポー?
エドガーとの会話の中では普通に「大老」と呼んでいたので別の誰かかもしれないですね。
もしかすると、その相手こそが大老やベルナドットを変化させた者、ということはないでしょうか。


それにしてもベルナドットと対峙するエドガーは、いかにもエドガーらしかったですね!
初対面の威圧的な相手にも堂々として、はじめこそ自分を「私」と言って(エドガーが「私」と言うのを初めて聞いた気がします)敬語を使ったけれど、すぐに普通の言葉遣いに戻って言うべきことを言う。
「神父が悪魔の手の内に落ちる…」と言う時の表情なんて実に決まっています。
今号はクールでカッコいいエドガーと素直で可愛いアラン、対照的な個性が際立っていますね。


・* 2.アランが「ダイモン」の本名を知る *・


コンサートの最後に「ダイモン」とジュリエッタが歌うバルカロール。
私もYouTubeで聴きましたが、とても甘美な歌でした。


「愛しいあなたを腕にだきしめて
船出の時は来た
月は昇り
願うものは永遠の愛
麗しき愛 愛の夜よ」


歌声が流れる中、ヴァンピールとなった息子・ダンとの別れを惜しむ母、涙を流し続けるペペ神父。
それぞれに歌は特別な意味をもって聴こえたことでしょう。


ダンの母はコンサートのたびに招待されているのでしょうね。
ミックが一緒でしたが、ダンは仮面をつけているからバレません。
ブランカは仮面をつけていない!と一瞬焦りましたが、ダンの母はダンから話を聞いているはずだし、ミックはブランカが死んだと思い込んでいる上に髪が白くなっているので「似てる人だなあ」と思うくらいなんでしょうね。


ミックが「パパに叱られます」と言っているということは、ミックの父のドナルドはまだ発病していない様子。
でも、そろそろ危ない年代ですよね。ルチオ一族、1名増員か。


アランはバルカロールに感動し、「ダイモン」とジュリエッタに「ステキだった…ぼく……こんな美しい歌を聞いたのは…生まれて初めてだよ」と素直な感想を伝えます。
前号でスネて「美しい音楽なんかキライだ」と言っていたのを思い出すと何だか微笑ましいです。
そしてアランが次に贈った賛辞は「ダイモン」の心を動かしました。


「ぼくね この美しい歌は
波も聞いて
海も聞いて
風も聞いてて
世界の遠くまで響いていくと思うよ…」


きっと「ダイモン」は歌が兄に届いたと言ってもらえたようで嬉しかったのではないでしょうか。
そして秘密の名前を教えてあげると言ってアランの額に手を当てる。
エドガーがアランを見つけた時、アランはぼうっとしていて額が角のように光っている――。


タイトルの「ユニコーン」のヒントがやっと出てきましたね!
この時アランは「ダイモン」からエナジーを授かったのでしょうか。
エドガーは少し焦っているように見えますが大丈夫なのでしょうか。
ラストのコマでアランの寝顔を見守るエドガーの表情から察すると心配するほどのことはないのかな。


「ダイモン」は名前を言葉にして言ったのか。
言ったとすればアランは朦朧としているけれど、その名を覚えているのか。
言わなかったのなら、そのユニコーンの角のような光こそが名前の象徴なのか。


いずれにしてもアラン再生の鍵になってくるのでしょうね。
一部始終を見ていたジュリエッタもまた、何か関わってくるのでしょうか?


2016年に「ダイモン」はエドガーに、一緒に来れば本名を教えてやると言いました。
それは多分エドガーにもアランと同じことをするという意味ですよね。
…やっぱり色々心配になってきました。


・* 3.サルヴァトーレとエステルの愛が蘇る *・


かつてエステルがコンサートに招かれてバルカロールを歌っていた頃、サルヴァトーレは彼女を心から愛していた。
深く愛するがゆえに彼女の手を取ることができず、ずっと想いを胸の内に秘めてきた。


エステルもサルヴァトーレを愛していたけれど自分からは言い出せず、やがて諦めて他の人と結婚した。
それでもサルヴァトーレを忘れることができなかったから、バルカロールの「ジュリエッタ」の名を娘に付けたのでしょう。
サルヴァトーレと33年ぶりに会い、彼の本当の気持ちを知るとともに全く年をとっていなくても本人だと確信して、狼狽しながらも激しい恋心を思い出す。


「愛しいあなたを腕にだきしめて」
「願うものは永遠の愛」


この歌に嵐のように揺さぶられて、蘇った愛はどこへ向かうのでしょうか。
2人の――というよりもサルヴァトーレの熱情的な行動は、「ダイモン」の思惑通りに事が運んでいるということですよね。
エステルがサルヴァトーレを追いかけて階段を駆け下りていく姿が心に残りましたが、これからどうなるのか、こちらも心配です。


◆◆・*・◆◆・*・◆◆


ラストページは1人ゴンドラに乗る「ダイモン」。
アランのネコの仮面を手にしています。
アランが朦朧として落としたものを持ってきたのでしょうか。


「ダイモン」の謎は依然として謎のままです。
上に書いたファルカのセリフ「バチカンからも人間からも仲間からも嫌われてる」。
これに引っかかるのですが、バチカンとはこれから何かトラブルがありそうですね。
わざわざ「人間」と言っているのは特定の人間を指していると思うのですが、それは誰?


そして「ダイモン」が語りかける兄は「ダイモン」にとってとても大切な存在のようですが、どこでどうしているのでしょう? もう死んでいるのでしょうか?
全くの見当違いかもしれませんが、私は「もしかして?」と思うものが2つあるのです。


1つは「春の夢」でファルカがエドガーに「目」を教える時に「手を放すな 迷子になるぞ 以前行方不明になったヤツもいた」と言っていた、その「行方不明になったヤツ」ではないか?
「ダイモン」はファルカの「親」なので、多分「目」を使えるだろうと思います。
一緒に移動していた時に手を放してしまったのかも。
もしくは大老ポーによって「目」の中に閉じ込められたとか。


もう1つは「ユニコーン」Vol. 1でやはりファルカが、長く眠って目覚めた時は名前を呼ぶ声が聞こえるから自分を忘れず見失わずにすむけれど、「見失ったヤツを知ってる」と言っていました。
その「見失ったヤツ」ではないか?
ユニコーン」では名前がキーワードのようですし。
ルチオ一族も目覚めた時に名前を呼んで落ち着かせるために母親や妻が付き添っているんですものね。


まあ、あくまで可能性の話ですので、違ったら笑ってください。

 

◆◆・*・◆◆・*・◆◆


さてさて、こんなに話が広がって謎だらけなのに春までお休みなんて長いですね。
でも続きをあれこれ想像しながら気長に待つことにしましょう。
次の舞台はいつどこになるのでしょうか。
いったん2016年に戻るのか、コンサートの後日談が描かれるのか、全然違う年代と場所に飛ぶのか。


記事(11)に最近追記したことですが、私は『flowers』2017年3月号の年表で「すきとおった銀の髪」の年代が従来と変わって、わざわざ「著者に確認」と注まで付いているのが気になっています。
もしかしたら1800年前後の話が描かれる?
ユニコーン」ではなく別のエピソードかもしれませんけど。


今月号には来年の萩尾先生デビュー50周年企画のお知らせも載っていましたね。
50周年には絶対に大々的な記念企画があるはず!と秘かに期待していたのですが、その第1弾です。
ポーの一族」のプレミアム本も「11人いる!」のムック本も魅力ですね ♪
私が前から騒いでいる画集やフレーズ集も出してもらいたいし、大規模な原画展をぜひ開催してほしい~!
と思ったら、今月号のアンケート葉書に企画の希望を書けるようになっていますね。
皆様、書いて出しましょう ♪

 

◆◆・*・◆◆・*・◆◆


「すきとおった銀の髪」の年代にご興味のある方はこちらもどうぞ。

(11)この作品は、いつ頃のお話?~①「すきとおった銀の髪」 - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

 

 

記事(11)に追記しました

「(11)この作品は、いつ頃のお話?~①『すきとおった銀の髪』」に年代についての情報を追記しました。
マニアックすぎる話にご興味のある方はどうぞ。

(11)この作品は、いつ頃のお話?~①「すきとおった銀の髪」 - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

 

 

(38)「ユニコーン Vol. 2 ホフマンの舟歌(バルカロール)前編」

前回に引き続き思い切りネタバレしております。バラさないで!という方は作品をお読みになった後で、ぜひまたいらしてくださいね ♪


ユニコーン Vol. 2」の舞台は Vol. 1の2016年ミュンヘンから58年遡り、1958年2月のベネチア
ヴァンピール仲間が集まったサンタルチアコンサートです。
これには意表を突かれました。
コンサートの話題はVol. 1に出てきたので、いずれ回想場面として描かれるだろうとは思っていましたが、いきなりここに飛ぶとは!
さすがは常に良い意味で読者を裏切ってくださる萩尾先生です。


コンサートはルチオの一族の主催で数百年前から開かれているといいます。
今のホストは「春の夢」でダンを仲間に加えたサルヴァトーレ。
他の一族も招待されています。


では今回も登場人物ごとに感想を書いてみます。


・* 1.エドガーとアラン *・


1958年の話なのでアランも登場。
今回、私にとって特に大きなトピックは次の2つでした。


1.アランは狩りをしないとわかった
前々からそうじゃないかと思っていましたが、本人の口から「ぼくも狩りなんかしないよ エドガーからもらうんだ」と聞けて、はっきりしました。
この時ブランカがいつもファルカに血をもらっていることを恥ずかしそうにしているので、エドガーは「…きみは狩りなんかしなくていいよ その分 人間らしいんだ」と慰めます。
私はもしかしたらエドガーとアランの間にも、かつてこれに似たやりとりがあったかもしれないなと想像してみました。
アランにしろブランカにしろ、エドガーは自分にとって大事な相手には人間に近いままでいてもらいたいんですよね。
リーベルにも自分の血だけを与えていたのだろうと思います。


2.ついにロビン・カーの名前が出た!
もう嬉しいの一言です。この時をどんなに待っていたことか!
ファルカが子どもをほしがっているので「ファルカにロビン・カーをやったら?」と言うアラン。
そこから始まる2人の会話で、ロビンが彼らを天使と信じた理由もわかります。
最後の言葉は少し悲しく聞こえました。


「成長すればサンタ・クロースも信じなくなる
子供の魔法は いつか…消えるんだ」

「魔法は消えても ぼくらは消えないけどね」


青い文字がエドガーの言葉です。
この時(1958年)エドガーは、ロビンはもう天使を信じていないだろうと考えていたようですね。
それでも翌年(1959年)「小鳥の巣」で迎えに行ったのは、ファルカのためだったのでしょうか。
でも、この会話の前年(1957年)にロビンは天使を待ち続けたまま死んでしまっているわけですが…。
こうしてロビンの名前が出たので、迎えに行く話にまで繋がることを期待したいです。


今号ではこの2つ以外にも2人の絡みが楽しいです。
特にエドガーが冗談を言うなんて!
しかも本人はそんなつもりがなく淡々と言っているから余計に面白い。
つまらないことを言ったアランを座ったまま押さえ込んだりしているし。
「春の夢」も含めて新シリーズでは2人とも、のびのびしていますよね。
旧作の彼らはもっとお行儀のいい感じで、その世界に浸っていた世代としては「え? エドガーとアランってこんなキャラだっけ?」って面食らったりもするのですが、少年らしいし微笑ましくて私は好きです。


ちょっと話がそれますが、今春出版された『私の少女マンガ講義』(萩尾望都:著 矢内裕子:構成・執筆 新潮社)に「春の夢」連載終了後の萩尾先生へのインタビューが載っています。
P. 207で先生はエドガーとアランについて、こう語っておられます。


「不思議なんですけど、自分の中に部屋があって、そのドアを開けたら、エドガーやアランがいた。私がドアを開けなかっただけで、ずっと彼らはそこで生きていた、というような。」

「私が見ていなくても『勝手にやってたから』みたいな感じ。」


先生が40年ドアを開けずにいた間に彼らが勝手にやっていた結果が、生き生きとした今の姿なのだろうなと思います。


さて、今回のラストシーンでは謝肉祭の仮面をつける2人。
エドガーがオオカミ、アランがネコでイメージに合っていますね。
特に新シリーズのアランはネコみたいだし。
「喰いに行くの?」と聞くアランに「まさか ウッフッフ」とエドガー。
この笑い、何か企んでいるのでしょうか?


・* 2.「ダイモン(悪魔)」 *・


前号の「ダイモン」は得体のしれない人物でしたが、今号は私にはとても魅力的に見えました。
1ページから次の扉絵にかけては「ダイモン」が兄に語りかけるモノローグになっていて、引き込まれてしまいました。

f:id:mimosaflower:20180704150114j:plain

小学館『flowers』2018年8月号より扉絵)


「ダイモン」の兄とは何者なのか。ヴァンピール? 生きているのか死んでいるのか?
「ホフマンの舟歌(バルカロール)」は兄との思い出の歌なのか。
大老ポーを恨む理由に兄が関わっているのか。
「ダイモン」の過去にとても興味をそそられます。


前の記事で私は、誰も知らない「ダイモン」の本名をアランが知っていたことが物語の鍵になるのではないかと書きました。
今号1ページ目の「ダイモン」のモノローグに「兄さんがいなくなってからオレの名を呼んでくれる者は誰もいない」という言葉があります。
「ダイモン」がアランに本名を明かしたのはアランを余程気に入ったからに違いなく、その理由にも兄が絡んでいるのでしょうか。
今号では人間っぽいアランが気になったようですが、次号で本名を教える場面が描かれると思うので楽しみです。
でも名前そのものは、ぼかされてしまうかもしれませんね。
はっ まさかそれが「ユニコーン」なんてことは…!?(いや、似合わないし違うから!)


また、前の記事に「ダイモン」はコンサートに呼ばれていないのに勝手に来たのかと書きましたが、ちゃんと招待されていたのですね。失礼しました。
でも前に参加した時はサルヴァトーレに好印象を与えていたようですが、今回本性を現しました。
サルヴァトーレを利用して何をするつもりなのか。
そしてそれは大老ポーを殺すことと、どう繋がるのか。
今のところ私には全く先が読めません。


ところで前号で「ダイモン」がシルバーに「ずいぶんと久しぶりに会ったのに よくわかったなァ」と言い、シルバーが「…おまえの においは変わらない…!」と返していましたね。
ということは「ダイモン」の外見はシルバーが前に会った時と全然違っていたのですよね?
これは何を意味するのでしょうか。


さらに「ダイモン」はタイミングよくカフェに現れたり、エドガーがアランを蘇らせようとしていたことやブランカ一家がナチスに迫害されたことを知っていたりします。
まるで皆の動向を把握しているかのようですが、なぜわかるのでしょうか。
カフェの時計を進ませたことと併せて、この2つも覚えておきたい謎です。


・* 3.ファルカとブランカ *・


今号はブランカも元気な姿を見せてくれました。
エドガーとアランがブランカに会うのは終戦の時(1945年)にパリで会って以来――つまり「春の夢」のラストでパリに行って以来ということですね。(※下に追記があります)
私はブランカが意識を失っている間にヴァンピールにされてしまったのでエドガーやファルカを恨んでいるのではないかと心配だったのですが、そんなことはなくてホッとしました。


ファルカとブランカが仲良さそうなのも嬉しかったです。
ファルカはブランカを気遣っているし、ブランカはファルカを信頼し、「ダイモン」の出現に怯える彼を守ろうとする(ブランカは「ダイモン」と初対面で恐ろしさを知らないのですが)。
お互いに良いパートナーなんですね。


「春の夢」のブランカは辛い環境の中で弟を守るため、決して泣くまいと張り詰めて生きていました。
でも今はファルカに「すぐ泣く」と言われるし、「涙なんざ弱者のグチだぜ!」と言う「ダイモン」に「涙は…祈りよ」「泣けないって かわいそうだわ」と言えるまでに変わっています。
素直に涙を流せるようになり、強さと可愛らしさを併せもった今の姿こそ本来のブランカなのだろうなと思います。


でも2016年にファルカと一緒にエドガーに会いに来られなかったのは、どうしてなのでしょう? 気になっています。


・* 4.ルチオの一族 *・


今号はサルヴァトーレとダンが登場。
ダンはブランカに「オットマーおじ様」と呼ばれていますが、ダン・オットマーという名前です。
私はてっきりサルヴァトーレの名字もオットマーだとばかり思っていたのですが、サルヴァトーレ・ルチオなんですね。
前に「オットマー家の…先祖…です」と名乗っていましたけど、本家と分家の関係なんでしょうか?


サルヴァトーレは普段は「ボロい修道院に生息してる」そうです。
これって修道士に化けているってことでしょうかね?
それとも修道院の墓地に隠れ棲んでいるとか?


「ダイモン」は5年前、つまり1953年にもコンサートに来たと言っています。
「春の夢」のラストでダンの母がベニスに行ったとありますが、時期的に見て同じコンサートに招待されたのかもしれません。


・* 5.新キャラ *・


初登場のフランス人、エステルと娘のジュリエッタ、そしてエステルの兄の娘カルメン
エステルはダンの母と似ていて、一瞬同一人物かと思ってしまいました。
かつてエステルがサルヴァトーレに見初められ、そのためにジュリエッタカルメンともどもヴァンピールの群れの中に放り込まれる羽目になってしまったのは不運としか言えませんね。
ジュリエッタカルメンが無事にフランスに帰れるよう祈ります。


ところで、巻き毛で内気なジュリエッタとストレートの黒髪で活発なカルメン、どこかで見たような気がするなあと思ったら「一週間」のカレンとジューンみたいじゃありませんか?
名前も似ているし(ジュリエッタカルメンはオペラから採られたのでしょうが)、いとこ同士というところも同じですね。


もう1組、忘れてはいけない初登場キャラが「タバタバとマリマリ」(byエドガー)ことタバサとマリサ。
やせている方がタバサで、黒髪のちょっとコロンとしている方がマリサです。
2人はアーサーがエドガーとアランを心配して付けた、旅のお供。
まあ確かに少年だけでロンドンからベネチアまで旅すれば、あちこちで呼び止められて面倒そうなのでカムフラージュの意味もあるのでしょうが、この2人、とにかく頼りない。
そもそもアーサーとはどういう関係なんでしょうね?
私は人間だと思うのですが友人はポーだと言っています。どっち?

 

でも、どうも私には彼女達が単なるチョイ役で終わる気がしないのですよ。
「春の夢」のゴールドが最終話でクロエを逃がしてエナジーを吸い取られたように、何らかの役目を負っているのではないかと。
例えば観光中に迷子になってエドガー達の行動に支障をきたすとか。
コンサートに潜り込んで想定外のことをやらかすとか。
あくまで予感ですが、さてどうなるでしょうか?


◆◆・*・◆◆・*・◆◆


このほか気づいたこと&気になったこと。


ロンドンでアランが「なんで こんな寒いときにベネチアなんて行くんだよ!」と文句を言っていますよね。
私はバンパネラは暑さ寒さに影響されないと思っていたのです。
なにしろ「息をしているふり…脈のあるふり…鏡に映るふり ドアに指をはさまれたら痛がるふり…」をしている人達ですから。
味覚がある位だから暑さ寒さも感じるだろうけど、それによって体調が左右されることはなく、服は単に周囲の人間に合わせて選んでいるだけなのかな、と。
でもアランやメリーベルのような虚弱体質のバンパネラは、寒いのも苦手なのでしょうかね?
だけどアラン、2月のロンドンよりはベネチアの方がずっと暖かいはずですよ。
もしかして単純に家から出たくなかっただけ?


自分で狩りができないブランカエドガーはバラを勧めています。
バラはポー以外のヴァンピールのエナジー補給にも有効らしいですね。


もう1つ小さなことですが、コンサートでアランはちゃんと好きなデザインの靴を履いていますね。


◆◆・*・◆◆・*・◆◆


さて、次回は後編ですので今回の続きが描かれるはず。
ただ予告のアオリが「アランと共にあるために…エドガーがした選択とは…」となっていて、もしかして2016年の話と同時進行したりするのでしょうか?
前回の Vol. 1を読んだ時、「ユニコーン」はアラン再生の話と、ヴァンピール界全体を巻き込む大老ポーvs.「ダイモン」の話が絡み合いながら進んでいくのかなと思ったのですが、まだわかりませんね。
次号は7月27日(金)ごろ発売で、普段より1日早く読めます。嬉しい。楽しみです!


◆◆・*・◆◆・*・◆◆


記事内でふれた『私の少女マンガ講義』はこちらです。
萩尾先生が2009年にイタリアで行った「戦後少女マンガ史」の講演をベースに、インタビューがたっぷり収録されています。
先生によって語られる少女マンガ史や創作にまつわる話が興味深く、読み応えのある1冊です。 

私の少女マンガ講義

私の少女マンガ講義

 

 

~2019. 10. 8 追記~


上で「エドガーとアランがブランカに会うのは終戦の時(1945年)にパリで会って以来――つまり『春の夢』のラストでパリに行って以来ということです」と書いたのですが、フラワーコミックススペシャル版を読んで2つの出来事は別々だったことがわかりました。


「春の夢」のラストで2人がパリに向かったのは1944年で、その時はブランカに会ったかどうかわかりません。
でも翌年彼らはまたパリに行って会っていたのでした。

 

 

記事(25)に画像を追加しました

「(25)『ポーの一族』イラスト集~綴じ込み付録②」に画像を2点追加しました。

『週刊少女コミック』1975年32号
  アランの暑中見舞
『週刊少女コミック』1975年51号
  エドガーのクリスマスカード

どちらも素敵ですのでぜひご覧くださいませ。記事の最後にあります。

(25)「ポーの一族」イラスト集~綴じ込み付録② - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記