亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

*ポー復活で舞い戻ってきたファンがゆっくり綴ります。ネタバレご了承ください

2017-08-19から1日間の記事一覧

(18)「春の夢」あれこれ~②ふたりの距離感

前のページで新作と旧作の世界が繋がっていると確信できたと書きましたが、私がそう思えたのはエドガーとアランの関係が昔と変わっていなかったからです。さらに嬉しいことに、「春の夢」では2人の互いへの心情が細やかに描かれていました。作品の中で私が特…

(17)「春の夢」あれこれ~①驚きのニューワールド

「春の夢」の連載が終わり、単行本が発売されました。単行本は装丁が美しく、すべての扉絵と掲載誌の表紙絵が収められ、萩尾先生のコメントも付いていて、すでに連載を読んでいても胸が高鳴ります。 特にコメントの次の言葉を読んだ時、私は喜びでいっぱいに…

(16)生命の水

バンパネラは人間とは異質な存在。エドガーが一族の儀式を見てしまった夜、老ハンナは言いました。 「たしかにわたしらは神様の作ったものじゃないのだろうよどんな生きものも死ぬと…死体が残るのにわたしたちは死ぬとチリになって風にとんじまう…ということ…

(15)この作品は、いつ頃のお話?~⑤まとめ

これまでの仮説を基に「春の夢」までの作品を年代順に並べると以下のようになります。「いや、これは違うんじゃないの?」と思われる方は、ぜひぜひご教示くださいませ。お待ちしております。 -・-・*-・-*・-・- 1 メリーベルと銀のばら 1740~1757…

(14)この作品は、いつ頃のお話?~④「一週間」

「一週間」の年代を考える時にまず頭に浮かぶのは、用事をすませて帰ってきたエドガーの言葉でしょう。 「段取りつけてきたよ 明日たつ」 「リトル・ヘヴンまで行ってドーバーをこえるよポラスト先生が待っててパスポートをくれる手はずだ」 偽造パスポート…

(13)この作品は、いつ頃のお話?~③「はるかな国の花や小鳥」

「はるかな国の花や小鳥」はどこか牧歌的な雰囲気が漂う作品で、舞台はロンドンから離れた地方のようです。ホービス市に自転車で日帰りできる距離であることは確かなのですが、ホービス市がどこにあるかというところまでは調べられませんでした。ご存じの方…

(12)この作品は、いつ頃のお話?~②「ピカデリー7時」

「ピカデリー7時」の年代を考えるには、1つ大きなヒントがあります。第2シリーズ開始に先立ち『別冊少女コミック』1974年12月号に「ポーの伝説によせて」と題された「1ページ劇場」が掲載されましたが、その中に次の1文があるのです。 「戦争のすこしまえ ロ…

(11)この作品は、いつ頃のお話?~①「すきとおった銀の髪」

ポーシリーズには年代が特定されていない作品があります。発表順に「すきとおった銀の髪」「ピカデリー7時」「はるかな国の花や小鳥」「一週間」の4つです。 これらが大体いつ頃の話なのかわかれば、時間軸が定まってポーの世界を更に楽しめるのではないかな…

(10)バンパネラの好きなもの

「春の夢」Vol. 1には、過去作と違う描写も随所に見られました。「えっ、そこ?」と思われるかもしれませんが、私が一番驚いたのは、ここです。 アランってハチミツ好きだったの!?しかもビスケットにつけて食べてる!? だってね。過去作でエドガーとアランは…

(9)「春の夢」脳内変換ごっこ

『flowers』2016年7月号で40年ぶりのポーシリーズ復活となった「春の夢」Vol. 1。もちろん私もドキドキしながら読みました。絵は変わってしまったけれど世界はそのままで、本当に生きててよかったと幸せをかみしめました。 何度か読んで頭の中で再現している…

(8)幻のカレンダー

ポーシリーズをリアルタイムで読んでいた皆様は、当時の掲載誌を今も大切に保存していらっしゃるのでしょうか? 私は…フラワーコミックスの購入と同時に処分してしまいました。(←なんと浅はかな…)イラスト類だけはスクラップブックに貼り付けていたのです…

(7)おお、この服は!

萩尾先生は「18~19世紀の服のデザインが好きなので、この時代の設定にした」「吸血鬼は長生きだから、いろいろな服を描けると思った」というようなことを、おっしゃっています。その言葉どおり、さまざまなファッションもポーシリーズの魅力の1つ。 ファッ…

(6)「エディス」のラストに想うこと

「エディス」のラスト、つまりポーシリーズの物語の終幕(現在のところ)には、皆様お1人おひとりが特別な感慨をおもちでしょう。読めない、読みたくないという方も、いらっしゃるかもしれません。 でもシリーズ全体を再読して私が一番感動したのは、このラ…