亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

*ポー復活で舞い戻ってきたファンがゆっくり綴ります。ネタバレご了承ください

ポーの一族

(14)この作品は、いつ頃のお話?~④「一週間」

「一週間」の年代を考える時にまず頭に浮かぶのは、用事をすませて帰ってきたエドガーの言葉でしょう。 「段取りつけてきたよ 明日たつ」 「リトル・ヘヴンまで行ってドーバーをこえるよポラスト先生が待っててパスポートをくれる手はずだ」 偽造パスポート…

(13)この作品は、いつ頃のお話?~③「はるかな国の花や小鳥」

「はるかな国の花や小鳥」はどこか牧歌的な雰囲気が漂う作品で、舞台はロンドンから離れた地方のようです。ホービス市に自転車で日帰りできる距離であることは確かなのですが、ホービス市がどこにあるかというところまでは調べられませんでした。ご存じの方…

(12)この作品は、いつ頃のお話?~②「ピカデリー7時」

「ピカデリー7時」の年代を考えるには、1つ大きなヒントがあります。第2シリーズ開始に先立ち『別冊少女コミック』1974年12月号に「ポーの伝説によせて」と題された「1ページ劇場」が掲載されましたが、その中に次の1文があるのです。 「戦争のすこしまえ ロ…

(11)この作品は、いつ頃のお話?~①「すきとおった銀の髪」

ポーシリーズには年代が特定されていない作品があります。発表順に「すきとおった銀の髪」「ピカデリー7時」「はるかな国の花や小鳥」「一週間」の4つです。 これらが大体いつ頃の話なのかわかれば、時間軸が定まってポーの世界を更に楽しめるのではないかな…

(10)バンパネラの好きなもの

「春の夢」Vol. 1には、過去作と違う描写も随所に見られました。「えっ、そこ?」と思われるかもしれませんが、私が一番驚いたのは、ここです。 アランってハチミツ好きだったの!?しかもビスケットにつけて食べてる!? だってね。過去作でエドガーとアランは…

(9)「春の夢」脳内変換ごっこ

『flowers』2016年7月号で40年ぶりのポーシリーズ復活となった「春の夢」Vol. 1。もちろん私もドキドキしながら読みました。絵は変わってしまったけれど世界はそのままで、本当に生きててよかったと幸せをかみしめました。 何度か読んで頭の中で再現している…

(8)幻のカレンダー

ポーシリーズをリアルタイムで読んでいた皆様は、当時の掲載誌を今も大切に保存していらっしゃるのでしょうか? 私は…フラワーコミックスの購入と同時に処分してしまいました。(←なんと浅はかな…)イラスト類だけはスクラップブックに貼り付けていたのです…

(7)おお、この服は!

萩尾先生は「18~19世紀の服のデザインが好きなので、この時代の設定にした」「吸血鬼は長生きだから、いろいろな服を描けると思った」というようなことを、おっしゃっています。その言葉どおり、さまざまなファッションもポーシリーズの魅力の1つ。 ファッ…

(6)「エディス」のラストに想うこと

「エディス」のラスト、つまりポーシリーズの物語の終幕(現在のところ)には、皆様お1人おひとりが特別な感慨をおもちでしょう。読めない、読みたくないという方も、いらっしゃるかもしれません。 でもシリーズ全体を再読して私が一番感動したのは、このラ…

(5)アランの気持ち

年代的に「小鳥の巣」(1959年)より後の作品は、「ランプトンは語る」(1966年)と「エディス」(1976年)だけです。「ランプトンは語る」には、「小鳥の巣」以降のアランとエドガーの関係性を示す描写はありません(ドン・マーシャルと会ったのは1950年で…

(4)エドガーの気持ち③

「はるかな国の花や小鳥」の年代設定ははっきり示されていませんが、「小鳥の巣」の中でエドガーが “あの幸福な婦人(レディ)” とエルゼリを回想していることから、「はるかな国の花や小鳥」が先、「小鳥の巣」が後の話だということがわかります。 「小鳥の…

(3)エドガーの気持ち②

「はるかな国の花や小鳥」でエドガーはエルゼリに出逢います。そして永遠の少女のようなエルゼリにメリーベルの面影を重ねる一方で、思い出の国に生きる姿を自分自身と対比させていました。 エルゼリに会うために毎日出かけて行くエドガーに、とうとうアラン…

(2)エドガーの気持ち①

いつも自分の方を見ていてほしいと願うアランに対して、エドガーはどういう気持ちだったのでしょうか。 そもそもエドガーがアランを仲間に選んだ理由はいくつかあると思いますが、自分自身がアランに好意をもっていたというのも、その1つでしょう。一緒に砦…

(1)アランは、わがまま?

「アランは、わがまま」とよく言われます。お金持ちの一人息子で甘やかされて育ったから、子どもっぽくてわがままなんだ、と。ファンから見れば、そんなところも魅力の1つなのですけれど。 でも本当に、単なるわがままなのでしょうか? エドガーとともに旅立…