亜樹の萩尾望都作品感想ブログ

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(24)「ポーの一族」イラスト集~綴じ込み付録①

今回から数回に分けて「ポーの一族」の旧作のイラストをご紹介していきたいと思います。
最初は雑誌に綴じ込みで付いていたポスターなどです。


特に記載のない限り出版元は小学館です。
ほとんどが古い雑誌のコピーの画像ですのでコンディションが良くないものもあります。どうぞご了承ください。
このイラスト集は旧作のレアなイラストをご紹介してファンの方にポーの世界をより楽しんで頂きたいという思いで作りました。萩尾先生ならびに小学館様より削除のご要請がありました場合は速やかに削除いたします。


『週刊少女コミック』1973年16号
少コミ愛の名場面集 ロミオとジュリエット

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いきなりですが、こちらは綴じ込み付録ではなく見開き2ページのカラーイラストです。
『週刊少女コミック』(少コミ)1973年16号(4月15日号)掲載ですので、『別冊少女コミック』(別コミ)で「小鳥の巣」が連載されていた頃の作品だと思います。
ロミオとジュリエットになったエドガーとメリーベル
毅然と前方を見据えた力強い眼差しが印象的です。
確かにロミオとジュリエットなのですが、何だかエドガーとメリーベルがしっかりと手を取り合って呪わしい運命に立ち向かおうとしているようにも見えますね。
右下の赤ベタ内の文章は次のとおりです。

シェイクスピア原作ロミオとジュリエットの悲恋物語萩尾望都先生のすばらしい筆であなたの前に再現してみました!」


別冊少女コミック』1973年8月号
別コミにんきまんがの先生から あなたへ 夏のごあいさつ……

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「小鳥の巣」が終了し第1シリーズが完結した翌月号に付いていた、『別コミ』の作家さん方による暑中見舞の1つです。
緑の風の中のアランという感じで涼やかですね。
この絵を見ると私は「一週間」のジューンのセリフを思い出します。

「あの子って そら 森の精みたいじゃない?
わたしたち 名まえしか知らないわ
ほんとに いたのかしら?」

瞳の色が緑ということもあって、私の中でアランのイメージカラーはこの絵のような緑です。
エドガーはやっぱり青でしょうか。


『週刊少女コミック』1973年31号
まんが家からの暑中見舞い状プレゼント(2019. 4. 20 追加)

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上のアランと同じく緑を基調にしたメリーベルの暑中見舞です。
リーベルの瞳の色も緑なのですよね(宝塚版は青でしたけど)。
赤いペンダントがアクセントですね。


別冊少女コミック』1973年10月号
秋のけっ作イラストしおり

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切り取ってリボンを付けて使うしおりです。
記憶が今ひとつ曖昧なのですが、昔持っていた『週刊少女コミック増刊フラワーデラックス』(1976年)の「ポーの一族・イラスト&メルヘン大特集」にこの絵が載っていて「初期の習作」というようなことが書かれていた気がします。


~2018. 10. 5 追記~
『フラワーデラックス』を確認したところ、上に書いたような記述はありませんでした。
いい加減な情報を載せてしまい大変申し訳ありません。
ただ、同じページに載っている絵には「発表前のエドガーとメリーベル(未発表)」と書かれていました。
2つの絵の画像を記事(43)にアップしましたので、よろしければどうぞ。

(43)「ポーの一族」イラスト集~その他 - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

 

『週刊少女コミック』1973年51号
クリスマスカード(2019. 4. 20 追加)

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クリスマスカードの左部分で、この右側は別の絵になっています。
ポーの一族」とは特に書かれていないのですが、エドガー、アラン、メリーベルだと思うのでこちらに載せました。
萩尾先生のこういう素描風の絵が私はとても好きです。


別冊少女コミック』1974年1月号
(画像は『萩尾望都パーフェクトセレクション6 ポーの一族Ⅰ』より)
イラストカレンダー

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この頃はカレンダー付きのイラストが、よく綴じ込み付録になっていました。
白磁の肌をしたエドガーの妖しい美しさが印象的です。
林の中のエドガーとアランのシルエットは「ポーの一族」で砦跡に行く場面のようでもあり、「小鳥の巣」の沼地のようでもありますね。


『週刊少女コミック増刊フラワーコミック』1974年春の号
萩尾望都イラストカレンダー

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お母さん(メリーウェザー)の夢を見ているエドガーでしょうか。

「春らんまんの花の中
香るさんざし 白い窓
緑のコテージで待っていた娘」
「メリーウェザー
かの おちぶれた男爵家の末娘
彼女だけには心をつくし
ひたすら愛し しげく通い」
(「メリーベルと銀のばら」より エヴァンズ伯爵)

「霧の夜――
行ってしまった馬車――
どこか遠くの おぼろな記憶…
ゆりかご… さんざし… 白い窓…
ほんとにあれは…
あれは いつかの日びの ことかしら……」
(「メリーベルと銀のばら」より エドガー)

もしお母さんが早くに亡くならなければエドガーとメリーベルは森に捨てられることもなく、この絵のような幸せな子ども時代を過ごして人間としての限りある命を全うできたのでしょう。
でも、それは夢なのですね。
「エディス」のラストでもエドガーは、メリーベルやシーラや老ハンナとともにお母さんを想っています。
エドガーが一番帰りたかった幸せな場所、それはお母さんのそばだったのでしょうか。


『週刊少女コミック増刊フラワーコミック』1974年春の号
萩尾望都ポーのアルバム〈はるかなるポーの一族によせて〉

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1つ上のイラストカレンダーの裏面に掲載された絵で、第1シリーズの主要登場人物が描かれています。
左下のテオが切れてしまいました。テオファンの方、申し訳ありません。
掲載誌ではパープルっぽい色で印刷されているのですが、モノクロコピーのため画像は黒になっています。
この絵は『萩尾望都パーフェクトセレクション7 ポーの一族Ⅱ』に収録されていて、そちらは2色刷りです。また、画面下部のタイトルと文章は入っていません。
『パーフェクトセレクション』の方はキャラクター名が萩尾先生の手書きですが、こちらは活字に組み直してあるため「エヴァンズ伯」の「ズ」が「ス」になっています。


『週刊少女コミック増刊フラワーコミック』1974年春の号
萩尾望都イラストピンナップ〈エドガー〉

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こちらも上の2つと同じ雑誌に掲載されました。
綴じ込み付録ではなく「3月ウサギが集団で」の扉絵の裏面で、下部分が「トーマの心臓」の新連載予告になっています。
エドガー、なまめかしく美しいですね!
まさに「凍てついた星のように青い」瞳に射貫かれてしまいそうです。
2つ上のイラストカレンダーと同時掲載ですが、絵のタッチはかなり違いますね。
カレンダーの方はもっと早い時期に描かれたのかもしれません。