亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

*ポー復活で舞い戻ってきたファンがゆっくり綴ります。ネタバレご了承ください

(42)「ポーの一族」イラスト集~「とってもしあわせモトちゃん」ゲスト出演

今回は「とってもしあわせモトちゃん」にエドガーとアランがゲスト出演した回をご紹介いたします。


特に記載のない限り出版元は小学館です。
ほとんどが古い雑誌のコピーの画像ですのでコンディションが良くないものもあります。どうぞご了承ください。
このイラスト集は旧作のレアなイラストをご紹介してファンの方にポーの世界をより楽しんで頂きたいという思いで作りました。萩尾先生ならびに小学館様より削除のご要請がありました場合は速やかに削除いたします。

 


「とってもしあわせモトちゃん」は1972年から1976年にかけて『週刊少女コミック』や『別冊少女コミック』などに不定期に掲載されたギャグ漫画です。
まずは主要キャラクターのご紹介から。

 

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(『週刊少女コミック』1974年2号より)


一番右の緑色のが主人公のモトちゃん。
隣でカップの縁に乗っているのがガールフレンドのレミちゃん。
左の男の子が友達のジョニーウォーカーくん。
その足元にいるのがジョニーくんの愛犬ナポレオンです。


モトちゃんとレミちゃんはカナダの森に住んでいるのですが正体は不明で、ジョニーくんはモトちゃんのことを「ベーキングパウダーをいれすぎたスポンジケーキみたいなの」と形容し、モトちゃんはレミちゃんを「ピンクのハート」と言っています。
2人とも空を飛べて人間や動物の言葉を話せます。
「とってもしあわせモトちゃん」はモトちゃん達が巻き起こすドタバタを描いた、楽しくてナンセンスでファンタジックな、どこか『クマのプーさん』や『PEANUTS』を思わせる作品です。

 


モトちゃんイギリスへ行く


ある日、ジョニー君のオモチャのグライダーを小鳥と思い込んで恋したモトちゃんは、本物のグライダーを追いかけてロンドンの近くまで飛んで行ってしまい、サンディちゃんの家に世話になります。
サンディちゃんのおばあちゃんは言います。


「わたしが子どものころは
なにも知らなかったので
いろんな夢のお話を信じました
としよりになると たくさんのことを知って
子どものころに信じてた夢が
なによりも真実だったことに気づくのです」


そして――

 

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(『萩尾望都作品集16 とってもしあわせモトちゃん』より。テキストも同。初出は『週刊少女コミック』1974年1号)


「そう――
――わすれないで――
おおきくなっても

ちいさなころに信じたこと
夢を語った やさしい人たち
むかしのメルヘン
むかしのともだち

かくれんぼの歌を
森の小道を――
――わすれないで――」


上の大ゴマの真中にいる3人がモトちゃん、サンディちゃん、おばあちゃん。
その右の方に視線を移すと…
おわかり頂けるでしょうか。
素描風のエドガーとアランがいます。


このコマには他にも萩尾漫画のキャラクターが描かれています。
エドガーとアランの下が「精霊狩り」シリーズのダーナ
その左の女性と女の子が「オーマイ ケセィラ セラ」のセィラとママ。
更にその上が「3月ウサギが集団で」の松本くんです。
余談ですが、私はこのコマを見るといつも「ホームズの帽子」でオービンさんが「イギリス この歌と伝説の宝庫――」と独白する場面を思い出します。


さて、モトちゃんはおばあちゃんの話を聞いてレミちゃんに会いたくなりますが、自分がどこから来たのかわかりません。
そこでサンディちゃんは新聞の「たずね人」に投書しようと手紙を書きますが、おばあちゃんがその手紙をテレビ番組の新曲募集に出してしまいます。
それがロックグループのザ・モルトの歌としてテレビで流れ、サンディちゃんは番組宛にせっせとリクエストの手紙を送ります。


そして――

 

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(同上。初出は『週刊少女コミック』1974年14号)


エドガーとアランがBBCテレビ局員になって登場です!
2人ともそれらしい格好をして、くわえ煙草。
エドガーの四角いサングラスが、やけに似合っているのがおかしいです。


2コマ目で右に座っている女性は萩尾先生の自画像です。
最後のコマでは後ろを向いてタイプを打っているので秘書かタイピストなのでしょう。


この後、ザ・モルトの歌は大ヒットしてレミちゃん達の耳にも届き、モトちゃんは無事にレミちゃんの元に帰れたのでした。
めでたしめでたし。

 


ジョニーウォーカーくんのバラのものがたり」


ジョニーウォーカーくんのバラのものがたり」は『別冊少女コミック増刊ちゃお』1973年11月号に掲載された8ページの短編です。
通常の「モトちゃん」は1ページに6コマですが、この作品は一般的なマンガのコマ割りです。
ここに何とエドガージュニアが登場!

 

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2頭身がたまらなく可愛いですねぇ。
でも名乗る場面では

 

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「永遠の時を生きるポーの一族のギャグタッチ
エロガー ポーチネロ」


で、

 

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エドガーが華麗にゲスト出演! ですが…


ジョニー「バンパネラって こんなもんだと思ってたけど」
エロガー「あっちはシニア(一世) こっちはジュニア(二世)」
モト  「バンパネラってなーに」
レミ  「悪霊っていってね…悪いことの もとみたいなものね いわば」
モト  「じゃ カゼのビールスみたいなの?」
レミ  「まァそんなとこね」
エロガー「あんまりだ!!」


ジュニアってどういうこと?って思いますが、そのあたりはあまり突っ込まないでおきましょう。
空腹なエロガーくんはジョニーくんが大切に育てたバラを持って逃走します(上の絵 ↑)。
でも可愛い女の子に弱かったので…という、最後はちょっと可哀想なお話です。


ところでエロガーくんが初登場するコマはこちら。

 

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空腹のあまり、ふらふらと歩いているところです。
宝塚の「ポーの一族」に、変化した直後のエドガーがふらふらしながらコヴェントガーデンをさまよう場面があります。
私はその場面を観ると、どうしてもこのエロガーくんを思い出してしまうんです。
だって、そっくりな黒いマント着てるし。
明日海エドガーファンの皆様、ごめんなさい~!


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「とってもしあわせモトちゃん」はこちらで読めます。
記事内でご紹介した絵のうち最初のカラーだけは入っていませんが、他は収録されています。
私はこの頃の萩尾先生の絵が可愛くて大好きで、読むとしあわせな気持ちになります。