亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

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(93)「青のパンドラ Vol. 3 ベニスのベラの家」

激しくネタバレしております。ネタバレNGの方は申し訳ありませんが作品をお読みになってから、ぜひまたいらしてくださいね ♪

 

こんにちは。
今月はすっかり遅くなって今頃「青のパンドラ」Vol. 3 の感想です。
もし待っていてくださった方がおられましたら(いないと思うけど)ごめんなさい。


まずは恒例の扉絵からどうぞ。

 

小学館『flowers』2022年10月号より)


Vol. 3 の舞台はタイトル通り「ベニスのベラの家」。
なので扉絵もベニスの象徴である有翼の獅子の円柱なんでしょうね。


ベラとはシスターベルナドットのこと。
私はVol. 2 の感想で、その家が多分リド島にあるのだろうと書いたのですが、見事外れました。
どうもすみません。


どこか分かりませんが、ワインを造っている島にある隠れ家でした。
一応調べてみたらマッツォルボ島とサンテラズモ島にワイナリーがあるようですが、観光客が来て隠れ家向きではないので別の島なんじゃないでしょうか。


さて、Vol. 3 は今まで以上に情報量が多くて追い付くのが大変!
ていうか、新事実と謎が多過ぎて自分が追い付けているのかどうかも分かりません。
頭を整理するために今回は大きく5つに分けて感想を書いていきたいと思います。


1 大老ポー
2 ポーとルチオの歴史
3 壺=パンドラ=血の神
4 人物について
5 そして次回は


それでは参ります!


◆◆1 大老ポー◆◆


今号では大老の過去や心情が断片的に語られました。
旧シリーズの大老は唯一登場したのが「メリーベルと銀のばら」で、そこでは神格化された存在のように見えましたが、この「青のパンドラ」では普通の感情をもった人物として描かれているのが面白いです。


今回まず驚いたのは、大老が4000年を超えて存在しているという事実!
いや、ギリシア神話と関係あるのかなと考えた時点で想像できたはずなんですけど、断言されると改めて驚きました。


そして老ハンナも遅くともトロイ戦争(前1200頃)の時までには一族に加わっていて、どうやらギリシア人のようです。
ハンナ自身がクロエ達に「8世紀頃仲間になったブリトン人」と言っていたのは、やっぱり嘘なんですね。


もう1つ衝撃だったのが、大老がフォンティーンの母であるアドリアに恋していたこと!


もし自分が人間の若い男なら、この美しい女性と結婚したかった。
こんな美しい息子がほしかった。
バリーも含めて、こういう家族に囲まれたかった。


そんな思いで「恋心を隠し 良き隣人を演じ」ていたのかな。
アドリア母子は夢を見せてくれる理想の家族だったんでしょうか。


となると気になるのは、大老とハンナはどういう関係だったのか?


「メリーベルと銀のばら」で2人は互いを「つれ」と言っています。
「つれ」って単なる道連れとか同行者?
それとも連れ合いとか配偶者の意味?


大老はハンナを愛して、永遠に共に生きていくことを望んで仲間にしたんじゃないのかなあ。
男爵とシーラみたいに。
でも1000年もたてば、そりゃお互い気持ちも変わるってもんでしょう。
大老がアドリア達とトリッポの城で暮らしていた間、ポーの村のハンナは、愛人の元に行ったきり帰って来ない夫を待つ正妻みたいな気分だったんですかね。


いや、そもそも2人はそういう間柄じゃなかったのかもしれないし、何か他の事情があって別行動をとったのかもしれないけど。


あ、話がそれますが、大老のこの話を読んで私はアーサーと隣家のマーガレット夫人を思い出しました。
アーサーも密かに彼女に恋していたのかな。


話を戻して。
ここへ来て大老は心境に大きな変化があったようですね。


自分のやり方も、自分が作った掟も、もう役に立たないのかもしれない。
クロエを許す。
炎の剣をバリーにやってもいい。
フォンティーンを解放して話し合わねば。


なぜこう考えるに至ったのかは、まだよく分かりません。
フォンティーンとバリーを消さず、それ以上に愛していたはずのアドリアだけを消した理由も(不可抗力?)。
更にはアランを再生させてやろうとする理由も。
これらは、おいおい明らかになっていくんでしょうか。


そして大老の科学技術に対する言葉、特に「(人間たちは)キカイと科学の力で なんでもできると思いこんだのだ 神のようになんでもできると」「万能感を得て神をキカイの向こう側へ追いやってしまったのだ」というセリフは、萩尾先生から現代社会への警告と受け止めました。


◆◆2 ポーとルチオの歴史◆◆


大老の過去を知ることが一族の歴史を紐解くことに直結するのも面白いですね。
今号は今まで明らかになっていた事実が更に補足されて一本筋が通ったような気がします。


はるか昔、大老やベルナドットはギリシアの小さな島に住んでいた。
その名も「ポーの島」!←大事なことなので赤文字にしました


土地の者は神として壺を祀っていた。
大老助祭、ベルナドットは巫女、そして祭司はアルゴスという男。


しかし地震と海底火山の噴火によってポーの島は海中に消え、大老、ハンナ、ベルナドット、オリオンの4人は壺を持って移動。
トロイア、ペルガモンを経てイタリアへ。


ローマ近くの森や村に住む。
サビーナの村でアドリア、フォンティーン、バリーを仲間に加える。


ローマは392年にキリスト教が国教となり、5世紀の初めに蛮族に略奪されたため、静かな土地を求めて北へ移動する。


7人はラヴェンナで二手に分かれる。
大老、ハンナ、アドリア、フォンティーン、バリーはアルプスを越えて北へ。
ベルナドットとオリオンはイタリアに留まりベニスへ。
壺はベルナドットが預かった。


ラヴェンナで別れた時期は不明ですが、5世紀頃でしょうか。


もっと分からないのは、ポーの一族とルチオ一族の関係なんですよね。
大老を始祖とする「ポーの一族」の名は「ポーの島」に由来すると思われるんですが、じゃあベルナドットを始祖とする「ルチオ一族」も元々は「ポーの一族」だったのか?
この辺りの説明も待ちたいと思います。


◆◆3 壺=パンドラ=血の神◆◆


前回私はよく分かっていなかったのですが、「パンドラ」と呼ばれる壺こそが、はるか昔にポーの島に祀られていた「血の神」だったわけですね。


一見何の変哲もない壺だけど、エドガーが触れると温かく柔らかく、水や海や星を思わせる。
何かの息吹を感じる。
エドガーが抱くと月の舟で波に揺られるようで心地いい。


これは母の胎内にいるような感覚?
パンドラ自体が命を育む1つの生命体のようなもの?


一方、ファルカが触れると少しヒヤッとしている。
冒頭の大老の「なんてことだ……彼も…消えかけているのか…?」というモノローグは、多分バリーじゃなくてファルカのことですよね?
それはイヤ!!
でもそうだとしたらファルカが壺に触れて少し冷たく感じるのは、もしかして彼自身の生命力が弱まっているから?


エドガー達が来る前、壺つまり血の神は久しぶりに水を欲していました。
しかも大量に。
ベルナドットが言ったようにそれがアランを復活させるためだとしたら、血の神が水を欲するのは誰かを蘇生させる時、あるいは新たな生命を生み出す時なのか?


そしてエドガーやファルカが壺に触れる時、サルバトーレが異常に怯えていたのは、なぜ?
私が考えたのは


①触れた者の余命を占うことになるから

②触れると恐ろしいほど荒ぶる時があるから


どっちかというと②かなあ。
「オリオンのそばでは割とおとなしい」と言われているし。


まだ色々と謎の多い神様です。


◆◆4 人物について◆◆


ここまで書いてこなかった人達について気になることなど。


アルゴス


またしてもキョーレツな新キャラ、アルゴス登場。
かつてのポーの島の祭司=大老の上司。
この人も一族だそうですが「ポーの一族」ってことでOKですかね?


ギリシア神話アルゴスは怪力の巨人で、身体中に100の目をもち、その半分が眠っても残りの半分は目覚めていたと言います。


錯乱していて皆から相手にされていない印象ですが、今後もここぞという時に邪魔しに現れそうで何をやらかすのか気になります。


【バリー】


今回、アルゴスの言葉によってバリーの生い立ちが明らかになりました。


本名はバルトロメオ
ローマ近くのザビーナ村の新貴族の息子。
1歳の時に父が若い女と再婚して捨てられ、父の愛人だったアドリアに引き取られる。
18歳か19歳の頃、父の再婚相手によって毒入りワインで殺される。


結構可哀想な人だったんですね、バリーって。


気になるのは「毒入りワインで殺された」ってところです。
アーサーは命が尽きる直前に一族に加わりましたが、やっぱり死んでしまうと無理なのかな。
それならバリーも完全に息絶える前に仲間に加えられたことになりますね。
アドリアとフォンティーンも同時だったのか?
フォンティーンが目覚めたら、その時の事情も語られる気がします。


あと、バリーの実母の話が全く出なかったんですけど、バリーを産んですぐに亡くなったのかな。


【オリオン】


オリオンはベルナドットの孫だそうですが、これって実の孫ってことでいいんですかね?
じゃあオリオンの親、つまりベルナドットの子どもが今いないのは、既に消えてしまったか、または女でルチオ一族に入れなかったかのどちらかでしょうか。


私、男ばかりのルチオ一族の始祖がなぜ女なのかも、まだ分からずにいます。
オリオンがどうして喋らないのかも気になります。


【シルバー】


シルバー、登場するたびに笑わせてくれて好きですわ。
風車小屋の別宅、いいなあ。
ケイトリンが今も元気そうで嬉しいです。


◆◆5 そして次回は◆◆


ラスト、「影の道」を走る馬車でヨークにある大老の仕事場へと出発した大老エドガー、ファルカ、オリオン。


大老も「目」を使って移動するのかと思っていたんですけど、こんな馬車を駆っていたとは驚きでした。
ベルナドットやサルバトーレも驚いているところをみると、初めて見たんでしょうね。
エドガーだけが興味津々な顔をしているのが面白いです。


ヨークといえば、ヨークシャーにはポーの村があるんですよね。
村とは別に大老の仕事場があるわけですね。
そこでアランを蘇らせ、炎の剣を作るのでしょうか。


「青のパンドラ」は話の展開が早くてびっくりですが、次回も怒涛の勢いで進みそうな気がします。
ベルナドットが待っている「あの方」もいずれ出てきそうだし、一体何が起こるのか?


ところで先日終了した「萩尾望都SF原画展」大阪会場のイベントとして、9月18日に萩尾先生と舞台版「ポーの一族」の演出家・小池修一郎さんの対談が行われました。
参加された方のレポートによると、何と萩尾先生が「『青のパンドラ』でアランが復活するまでを描きます」と発言されたとか。


おおお!
先生の口から確約が!!
これはもう期待しかないです。


間もなく発売の次号がますます楽しみですね!!


◆◆◆◆◆◆


「青のパンドラ」Vol. 1と2の感想はこちら。よろしければどうぞ。

(90)「青のパンドラ Vol. 1 冷蔵庫で眠る」 - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

(91)「青のパンドラ Vol. 2 アランが盗まれる」 - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

 

~2022. 9. 28 追記~


今日は『flowers』の発売日でしたが、「青のパンドラ」は2か月お休みでVol. 4 は11月末発売の2023年1月号に掲載されるそうです。
待ち遠しいですね。

 

 

(92)萩尾望都SF原画展@アーツ千代田3331に行ってきました

萩尾望都SF原画展 宇宙にあそび、異世界にはばたく」が2022年7月9日から24日まで久しぶりに東京で開催されたので行ってきました。

 

 

この原画展は2016年にスタートし、全国を巡ってきました。


①2016 東京 武蔵野市立吉祥寺美術館

②2017 新潟 新潟市マンガ・アニメ情報館

③2017 兵庫 神戸ゆかりの美術館

④2017 静岡 佐野美術館

⑤2018 福岡 北九州市漫画ミュージアム

⑥2018 群馬 高崎市美術館

⑦2018 宮城 石ノ森萬画館

⑧2019 山梨 山梨県立美術館

⑨2022 秋田 横手市増田まんが美術館

⑩2022 東京 アーツ千代田3331


私は①の吉祥寺美術館と④の佐野美術館に行って、今回は3か所目です。


最初の吉祥寺美術館は展示数200~250点程だったでしょうか。
こぢんまりした会場でしたが大勢のファンが詰めかけて、萩尾先生の原画を間近で見られるという喜びと興奮で熱気に溢れていました。
しかも入場料が100円!
本当にいいのか?と思ってしまう料金で、ものすごいおトク感がありましたね。


次に行った佐野美術館では展示数が約400点に増えていて見応えがありました。
まるで芋の子を洗うようだった吉祥寺に比べると、立ち止まってじっくり見られて感動もひとしおでした。


そして今回のアーツ千代田3331(3331 Arts Chiyoda)。


この会場のことは全然知らずに行ったのですが、何だか学校みたいだなあと思ったら、廃校になった中学校を改修した建物でした。
靴箱がおしゃれなフライヤー棚になっていたりして面白かったです。
来春には再び改修されて新たな文化芸術施設になるそうです。


入ってすぐのカフェを横目に見ながら原画展の展示室へ。
今回も展示数は約400点とのこと。
佐野美術館の時と全く同じかどうかは分からないのですが、構成は同じで4つのゾーンから成っていました。


それでは個人的に印象に残った作品を少し。


はじめは「あそび玉」や「精霊狩り」シリーズなどの初期作品群。
自分が馴染んだ作品ばかりでワクワクしました。


ユニコーンの夢」はラスト8ページの展示。
黒の効果、繊細な線、儚く優しい絵柄で、ファンタジックな世界にいざなわれます。


「追憶」と題されたカラーイラストポエム。
ここまでずっとモノクロの絵だったので、カラーの美しさがひときわ鮮やかに見えました。
このイラストポエムは『チェリッシュブック 少年よ』(1976年 白泉社)に「おまえ」という題で収録されていて、当時から好きでした。
『少年よ』でポエムは一部変更されています。


そして、これもまた大好きな「月蝕」。
佐野美術館でも食い入るようにして見ましたが、今回も全ページあったので1枚ずつ時間をかけて鑑賞し、繊細な絵で表現された寓話の世界に浸りました。


次のゾーンでは「百億の昼と千億の夜」の原画が多数あって目を引かれました。
中でもイメージアルバム付属のポスター用に描かれた阿修羅王と花の大きな絵が美しくて、とても印象に残っています。


ここにはネームも展示されていました。
私はネームとは、原稿と同じくらいのサイズの紙にコマ割りをして文字とラフな絵を入れるのかなと勝手に想像していたのですが、A5くらいの小さな紙に文字だけだったので意外でした。
貴重なものを見せて頂いた気分です。


この後も美しいカラー原稿が沢山ありましたが、中でも「マージナル」の扉絵の数々に見入ってしまいました。
人物の均整の取れた体の美しさ、色の美しさ、構図の美しさ。


「マージナル」、私はずっと前に一度読んだきりで、また読みたいと思っているんです。
でも単行本を持っていないので、カラーがそのまま再現されている本を出版してほしいなと希望しています。
個人的にはパーフェクトセレクションのサイズが読みやすいのですが、雑誌サイズでも良いですね。


原画展の会場にはタペストリーが飾られ、関連書籍が陳列されていました。
時々順路に迷ったりしましたが、ゆったりした空間で鑑賞できて良かったです。


夕方の時間帯にも関わらず訪れる人は途切れず、皆さん思い思いに好きな絵の前に佇んでいるようでした。
私は古い萩尾漫画に思い入れがあるのでどうしてもその頃の絵を重点的に見てしまうのですが、全く知らない文庫本のカバーイラストなども見ていて楽しかったです。


展示会場のすぐ隣がグッズ販売コーナーで、新刊の『百億の昼と千億の夜 完全版』(河出書房新社)も平積みされていました。
私はグッズは見ただけなのですが、キャラクターパレードTシャツが魅力的でした。
SF作品だけじゃなくて、ポーやトーマや半神やイグアナ娘などのキャラも勢ぞろい!
あのイラストを何かの本に収録して頂きたいです。


この展覧会も、いよいよ次の大阪がファイナルだそうです。

 

 

9月9日(金)~19日(月・祝)
あべのハルカス近鉄本店


ファイナルということで賑わいそうですね。
今回、別の会場で萩尾先生と星野之宣先生の対談イベントが行われましたが、大阪ではトークショーがあるようです。
詳しくは公式サイトをご覧ください。

萩尾望都SF原画展 公式サイト Hagio Moto SF Exhibition


★彡 ★彡 ★彡


佐野美術館に行った時の記事です。ご興味のある方はどうぞ。

(23)SF原画展@佐野美術館に行ってきました - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記


原画展の図録です。
掲載されていない絵もありますが美しくてページを繰るのが楽しいです。

www.kawade.co.jp

 

 

(91)「青のパンドラ Vol. 2 アランが盗まれる」

激しくネタバレしております。ネタバレNGの方は申し訳ありませんが作品をお読みになってから、ぜひまたいらしてくださいね ♪

 

ポーの一族」の新章「青のパンドラ」の第2回、皆様もう読まれましたか?
私は「アランが盗まれる」というサブタイトルにまず動揺し、展開の早さにびっくりでした。


では早速、扉絵から!

 

小学館『flowers』2022年8月号より)


メリーゴーランドに乗る主要キャラ達。
左上の端っこに小さく描かれている大老ポーの後ろ姿が何だか可愛い。


その隣の人物が男に見えて「誰? 新キャラ?」と思ったんですが、妹に「クロエじゃないの」と言われ、よく見たらスカートはいてました。
どうも老眼が進んだようです(汗)


このエドガーとアランを見ると、やっぱりこちらの絵を思い出しますよね。

 

(同2019年4月号より)


ユニコーン」の連載が再開する時の予告です。
この時はユニコーンの木馬でエドガーがどこか遠くを見ている風でしたが、今回のエドガーはしっかりアランの方を見ています。


それでは物語の感想に参りましょう。
と、その前に今回は「ユニコーン」でのエピソードがちょこちょこ出てくるので、まとめておきますね。


1067 バリーがポーの村のバラを枯らして逃げる(大老がフォンティーンを閉じ込めた年の翌年)

1944 クロエがポーの村のバラを枯らして逃げる

1958 ベニスのコンサート

1963 バリーがアランをカタコンベに連れて行く

1975 バリーがロンドンでアランに会い、オペラに誘う

2016 現在


*おことわり*
ユニコーン」の感想記事では作品に従ってベネチアと表記していましたが、「青のパンドラ」では作品内でベニスに変わったので感想でもベニスと表記します。


◆◆◆◆◆◆


ファルカの店に現れた大老ポー。
ファルカへの言葉は


「アランを助ける方法を示唆するために来た」

「ベニスにサン・ミケーレという島がある
そこで待っているからエドガーをつれて来てくれ」


アランを助ける!
ポーの村はアランを受け入れてくれないのに大老は助けると言うんですね!
やはりバリーの言う通りエドガーが大老の直系だから、エドガーの願いを聞いてやろうということでしょうか。
それとも何か別の理由があるのか?


ベニスには本島以外に多くの小島があり、サン・ミケーレ島は本島のすぐ北に位置します。
アーサーのセリフにもあるように教会と墓地しかない「墓地の島」だそうです。


それにしても、ファルカもブランカ大老に敬語を使いませんね。
それどころか不信感丸出し。
まあ2人ともポーの一族じゃないし、ブランカはロイが消えてパニックになってるし。


大老の方も何だかいきなり俗っぽく…いや、人間くさくなってませんか?


そして花を食べて消えてしまったロイ。
ロイもローラも人間じゃなくてヴァンピールになっていたんですね。
この子達も行き場のない、1人では生きられない子達だったのでしょうか。
まさか、さらって来たりはしていないと思いますが。


私はブランカが子どもの世話をするのはファルカのためだと思っていたのですが、今月号を読んでブランカもファルカと同じくらい子どもを可愛がっているんだと分かりました。
ノアを思い出したりするのかな。


子どもはすぐに消えてしまうのにエドガーは(アランも)永く生きている。
その理由は大老にも分からない。
このことも謎の1つです。


◆◆◆◆◆◆


アーサーの館ではバリーの話が続いています。
自分はアランと友達で、アランが好きだから協力するのだと言いますが…


ボートに現れたのも、カタコンベに連れて行ったのも(ほとんど拉致)、アランにとっては大迷惑。
確かにオペラの「こうもり」に誘っていましたが、本当に行ったのかな。
作り話か?


バリーからは秘薬の入った青い壺「パンドラ」に続く、驚くべき情報がもたらされました。
クロエから聞いた話によると、フォンティーンの体に絡まっているバラの根は大老が持っている「炎の剣」でのみ焼き切ることが出来る!


だからエドガーが大老に「パンドラ」でアランを元に戻してくれるよう頼む時、自分のために「炎の剣」をもらってほしい――。


「そんなの無理に決まってる」と思ったら、バリーはアランが入っているトランクをエドガーから奪い取り、「目」の中に消えました。
「剣と交換だ! それまでオレが預かる!」と捨てゼリフを残して。
ふん、やっぱりね。
そんなヤツだと思ってましたよ…。


半狂乱になったエドガーを見て「わー大変だ!」と焦りましたが、大老は何もかもお見通しでしたね。
ホッとしました。


ところで、クロエもフォンティーンを助けたいと思っていたんですね。
なるほど、バリーと望みが一致していたから、エドガーにバリーの行方を知らないと言ったわけか。


◆◆◆◆◆◆


場面が変わり、どこかの海辺にシスター・ベルナドットの姿が。
何をしているんでしょう?
「血の神」に捧げもの?
「血の神」とは?


そこへオリオンという名の若い修道士もやってきます。
はて、ここはどこ?
ベニス?


あっ、そういえば1958年のベニスのコンサートで、サルヴァトーレがルチオ一族について「いつもはリド島のボロい修道院に生息してるよ」と言ってましたっけ。
同じ時ベルナドットは「貴重な古代の予言書などの管理をしている」「20名から25名ぐらいだ」と言っていました。


とすると、多分ここはリド島で、オリオンも古書の管理をしているルチオなんでしょう。


リド島は本島の東にある大きな島です。
バカンス客が海水浴に訪れるリゾートの島。
ベネチア国際映画祭の開催地で、「ベニスに死す」の舞台でもあります。
そんな島でルチオ一族が暮らしているなんて意外な気がしますが、旅行者が多い所だと紛れて好都合なのかな。


ベルナドットはオリオンに言います。


「きっと近いうちに誰かが訪ねてくるだろう…
もしも……“あの方”なら100年ぶり…
最後に会ったのは100年以上前のコンサートの夜…」


「あの方」。
1958年のコンサートでも側近に「あの方は…来た?」と尋ねていた、「あの方」。
今は2016年なので100年以上前というと1916年より前。


一体何者なんでしょうか?
尊大なベルナドットが「あの方」と呼ぶくらいだからヴァンピール界を統べる者とか?
その人物が近々姿を現すのかな、楽しみだな~。


なんて思っていたら、ベルナドットとオリオンの前に大老が登場。


驚いたのは大老とベルナドットの互いの呼び名ですよ。
大老がイオンで、ベルナドットがベラ。
これは2人が人間だった頃の名前なんですかね?


この2人は元々ギリシャの神官と巫女だったわけですが、「イオン」も「ベラ」もギリシャ神話にゆかりのある名前のようです。


イオンはアポロン神とアテネ王女クレウサの不義の子で、「イオニア人」の呼び名の起源となった英雄。
ベラは神々の女王(ゼウスの正妻)の名前「ヘラ」から来ているのではないかと思います。
ついでに言うと、オリオンはギリシャ神話に登場する巨人の狩人です。(←美男子)


色々なことが少しずつ明らかになってきてワクワクしてきますね!


◆◆◆◆◆◆


ラストシーンはサン・ミケーレ島
島にやってきたエドガーとファルカに大老


「ベラが彼女の海の家で待っている
さあ“パンドラ”に会いに行こう」


なんと、もう次回に早速「パンドラ」が出てくるのでしょうか。
バリーまでちゃっかり来ているのが気になります。


気になるといえば、アーサーの隣人だった今は亡きマーガレット・チャップマン夫人も。
夫人の息子はアーサーにわだかまりを持っている。
孫のサイモンや犬のシーザーも含めて、この一家が今後どう関係してくるのか?


次回は更に驚くような展開が待っていそうですが、残念ながら来月は休載。
続きは10月号だそうです。
8月末に発売ですので、皆様、熱中症にもコロナにも気を付けて元気に発売日を迎えましょう。
萩尾先生もお元気に執筆してくださいますように!


◆◆◆◆◆◆


「青のパンドラ Vol. 1」の感想はこちら。よろしければどうぞ。

(90)「青のパンドラ Vol. 1 冷蔵庫で眠る」 - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

 

 

(90)「青のパンドラ Vol. 1 冷蔵庫で眠る」

激しくネタバレしております。ネタバレNGの方は申し訳ありませんが作品をお読みになってから、ぜひまたいらしてくださいね ♪

 

さあ、『flowers』7月号で「ポーの一族」の新章「青のパンドラ」がスタートしましたね。
えっ何ですか、この表紙!?

 

小学館『flowers』2022年7月号より。以下、記載のないものは同)


バラはお互いへのプレゼントなんですよね?
「For You」「With Love」って何?
40年見ない間に、きみ達こうなってたのか。


あ、ちなみに先月号に載っていたモノクロ予告のエドガーも同じ格好してました ↓

 

(『flowers』2022年6月号より)


恋人同士みたいな彼らに若干アテられながら表紙をめくると、2人が1コマずつ交互に描かれたカラーページ。
目覚めたばかりで夢うつつのアランを新たな旅にいざなおうとするようなエドガーに、何となく「ペニー・レイン」を思い出したり。


2人の会話が扉絵に繋がるので書き出してみます。
青い文字がエドガー、緑の文字がアランです。


「…あれ? エドガー?」

「ああ 目が覚めた? アラン」

「え…なんか揺れてる?」

「うん 波は穏やかだけど少し風があるから」

「ここ舟の上? 舟を漕いでるの?」

「月を漕いでるんだよ」


月を漕いでる?
不思議に思いながら扉絵を開いてみると

 

 

本当だ。月を漕いでる。
幻想的で素敵です。
この絵には何か意味があるのかなと思っていたら、先の方を読んでちょっと思うところがあったので後で書きます。


さてさて、今回の物語は「ユニコーン Vol. 1 わたしに触れるな」の続きです。


2016年、長い間消息を絶っていたエドガーがミュンヘンのマリエン広場でファルカ、シルバーと再会。
手にしたアタッシェケースの中には小さな塊になってしまったアランが入っていて、元に戻したいと強く言う。
そこへ仲間から忌み嫌われているバリーが現れ、アランを再生させる方法を知っていると告げる。
ファルカ達の制止を振り切ってバリーに付いて行くエドガー。
さあどうなる!?というところから。


それではストーリーに沿って感想を書いていきたいと思います。


*おことわり*
バリーにはダイモンなどいくつか名前があるのでこのブログではこれまでバリー=ダイモンと表記してきましたが、ほとんどの登場人物がバリーと呼んでいるため今後はバリーという表記に改めます。


◆◆◆◆◆◆


エドガーとバリーを乗せたタクシーが着いた先はアーサーのクエントン館。
よ、よかった~!
カタコンベ(地下墓地)に連れて行かれるんじゃないかと心配してました。
館はまだホテルには改装されていないようですね。


疲れて休むために服を脱いだエドガーの上半身は骨と皮。
これだけでも軽くショックでしたが、萩尾先生は館に辿り着いた時の姿も描いてくださいました。


その時のエドガーの状態が「グール」なんですよね?
今回のバリーのセリフにもあるように、吸血鬼は弱ると干からびて小さくなって消えてゆく。


私は「グール」とは全く別の姿をした怪物なのかと想像していたのですが、そうではなくて干からびた状態が「グール」という認識で良いのでしょうか。
もしそうなら今のアランは、これ以上ないほど干からびて小さな塊になった「グール」ということになるのかな。


あと、些細なことですが、エドガーは「目」を使って館まで来たんですよね?
あれで列車に乗って来たとは思えませんから~。


それと犬!
早速出てきましたね。
シーザーは「わたしに触れるな」にも1カット登場していました。
今後どんな役割を果たしてくれるのか楽しみです。


さて、エドガーが眠る場所は棺…じゃなくて冷蔵庫または保冷庫の中。
香りが漏れないようにするためなら必ずしも冷蔵庫でなくてもいいような気がするんですけど、吸血鬼は気温が低い所の方が良いのだろうか。


眠る前、アーサーはエドガーの体にたっぷりのバラ油をかけてやります。
こうすると体力を回復できるみたい。
この方法でグールから元の姿に戻ってきたのでしょうか。


バラ油の他にバラ水もあって、そっちは普通に飲むのかな。
化粧水みたいに、それもお肌につけてたりして。


バラ油もバラ水も旧シリーズにはなかったので面白いなと思いました。
1950年頃まではアーサー自身が館で作っていたそうなのでエドガー達も手伝っていたのかも。
そういえば「小鳥の巣」では紅茶にバラのエッセンスを入れていたけど、あれも館で作ったのかな。


最近は外注しているそうで、どこに発注しているのか気になります。
もしかしてアーサー、それで商売してる?


◆◆◆◆◆◆


ところ変わってパリのモンマルトル。
ファルカとブランカはここに住んでいます。
ファルカは辻音楽をやるためにわざわざパリからミュンヘンまで飛んで行ってるのか~。


2人はローラという女の子とロイという男の子を育てていました。
だからブランカミュンヘンに来なかったんですね。


子ども達に「ファルカ」「ファルカ」と呼んでもらってファルカは嬉しそう。
この子達、もうヴァンピールになっているのだろうか。
まだ人間?
無事に生き延びられるといいですね。


◆◆◆◆◆◆


再びクエントン館。
キョーレツな新キャラが登場しましたよ。
一族のマリアとアイザック
マリアの髪は欄外の「花だより」の萩尾先生の自画像と同じなんですけど、ここ笑っていいところですか?


マリアとアイザックは7、8世紀頃から生きているというので、かなりの古参ですね。
老ハンナが大老ポーによって一族に加わったのが8世紀頃なので、だいたい同じ頃。
じゃあハンナと一緒にポーの村の創成に携わったのかな。


2人とバリーの言い合いから、当時ローマから来たバリー達とブリトン人が対立していたことが分かりました。
ハンナはローマから来たはずなので反感を買わないためにブリトン人と名乗ったのかも。
それとも本当にブリトン人だったのか?
このあたり、時系列で考えてもちょっと謎です。


マリアとアイザックはバリーを激しくののしりながらも彼の力を恐れています。
なぜこれほど恐れるのか、バリーのまだ明かされていない能力や村を追放された時の事情を知りたいです。


新事実は、大老がトリッポの城の仲間を殺したのが1066年と分かったこと。
それからアーサーは何十年と館に住んでいるけれど、怪しまれないように時々マリアと交代していたのだとか。
なるほど、その手があったか!


◆◆◆◆◆◆


アーサーの元には1958年にエドガーが送ったマリエン広場の絵葉書がありました。


マリエン広場といえば、つい先日エドガーがファルカやシルバーと再会した場所。
そうか、アランが好きだったマリエン広場でファルカが辻音楽をやっていると聞いたから、エドガーは自分から出向いて行ったんだ。
靴もアランが好きなデザインを選んでいるし、泣かせます。


1958年は2月にアランとベニスのコンサートに行って、その後一緒にマリエン広場に行ったわけですね。


2人が広場のからくり時計を眺めている場面から4ページに渡る回想シーンには胸が熱くなりました。
かなり長くなってしまうのですが、その部分の言葉を書き出してみます。


「(時計が)何百年も大切にされているんだ…
今でも動いてる…いいな」

「そうだね ぼくも時計は好きだよ」

エドガーが好きなのは壊れた時計だろ」

「壊れたのも好きだけど動くのも好きだ
秒針や針が動くのが」

「針はただ動くだけじゃん」

「針が動くと時間が動く
時間は目には見えないのに…
見えないのに…
時は刻まれてゆく」

時は流れゆく 
とどまることなく……

「「ホフマンの舟歌(バルカロール)」好きだな
こないだベニスで聞いた
バリーの歌った「バルカロール」よかったな
またベニスに行きたい」

「うん いいね
これからも いろいろなところに旅をしよう
ずうっと」

「うんエドガー」

「ずうっといっしょにねアラン」


エドガーが壊れた時計を好きだという話は「春の夢」に出てきてアランはこう言っていました。


「きみは壊れた時計が好きなんだ
だからちょっと壊れた人間のそばにいたがるんだ」


今回のエドガーの言葉


「針が動くと時間が動く
時間は目には見えないのに…
見えないのに…
時は刻まれてゆく」


異端の者であるバンパネラは、この世に存在してはいけないもので人間からは見えないも同然なのに、生きて時を重ねている。
時計を見ていると自分達のように感じられる。
そんな想いでしょうか。
それなら壊れた時計は例えばメリーベル


分かりませんが、「秘密の花園」Vol. 9 冒頭の2人が昼の月を眺めている場面を思い出して、時計に通じるものを感じました。


ここから先は文章だけではうまく伝えられないので後半の2ページを掲載させて頂きます。

 

 

 

彼らの間にこんな幸せな約束が、幸せな思い出があったんだということがとても嬉しいです。
ま、翌年には「小鳥の巣」で再びドイツに行って、アランは「ぼくのことだけ考えてくれなけりゃいやだ!」って叫ぶんですけども。
アラン、2人きりの幸せな時間を過ごした分だけ拗らせたんですかね。


それはさておき、月の舟に乗っているエドガーとアランはコスチュームは違うけど扉絵と同じですね。
下のアップの絵は扉絵の衣を羽織っているのかな。


エドガーの言葉からベニスで聴いた「バルカロール」を思い出すアラン。


時は流れゆく 
とどまることなく……


あれ、そういえばこれに似た歌詞があったような…
と思って単行本を見たら、ありました。

 

(『ポーの一族 ユニコーン』2019年 小学館より)


こちらは掲載誌にはなくて単行本で加筆されたページです。
「バルカロール」にまつわるサルヴァトーレとエステルの恋の思い出。


「時は往き過ぎぬ
もどらぬままに
愛は往き過ぎぬ
もどらぬままに
月の夜 星の夜
恋する夜よ…」


この絵、今回の月の舟の絵と情景が似てませんか?
それでバリーとジュリエッタが「バルカロール」を歌っている場面を見返すと、こんな歌詞でした。


「愛しいあなたを腕に抱きしめて
船出の時は来た
月は昇り
願うものは永遠の愛
麗しき愛 愛の夜よ」


あー、もしかしたら月の舟はこの歌がモチーフなのかなあと思うのですが…
扉絵のコスチュームも「ホフマン物語」の時代と合っているようですし、どうでしょうか?


余談ですが、旧シリーズにはこのようにコマを割らず詩と絵が一体となった美しいページが時々あって、それが魅力の1つでした。
新シリーズでも見ることができて嬉しいです。


アランの思い出話は更に続きました。


ハックルベリー・フィンの冒険』が愛読書だったこと。
トム・ソーヤーよりハックの方が話が合いそうだと言っていたこと(そりゃ、自由気ままな性分だから)。
誕生日が著者のマーク・トウェインと同じ11月30日で喜んでいたこと。


へえ、アランってこんな一面があったんだと知れて単純に嬉しいですが、本を愛しそうに見つめるエドガーの表情が切ないです。


◆◆◆◆◆◆


アランを元に戻す方法を教えてほしい。
エドガーの問いに対するバリーの答えは


自分は出来ないが大老ポーなら出来る。
大老は自分の血脈だけを大切にしているから、自ら血を分け与えたエドガーの頼みを聞き入れてくれるだろう。
青い壺に入った秘薬「パンドラ」を使えばアランはきっと蘇る――


おおー、タイトルの「青のパンドラ」とは秘薬のことでしたか!
大老がフォンティーンとバリーを殺さないのはなんでだろうと思っていたのですが、自ら血を分けた者は殺さないからという理由にも納得です。


バリーはエドガーに大老を呼び出させて倒すチャンスを狙っているんでしょうか。


その大老、最後に登場しましたね。
ファルカに何の用?
って、大老の前提で書いてますけど、もし違う人物だったらどうもすみません。


◆◆◆◆◆◆


ところで『flowers』7月号の発売日の翌日、新聞を広げて「あっ」とびっくり!
なんと1面の書籍広告の欄にこれが。

 

 

「アラン復活…!?」の大きな文字。
わー! こんなの初めて見た気がするんですが。
え、初めてじゃないですか?


感動してたら更に次の日には

 

 

1面ではありませんが横ブチ抜きでドドーン!
いやもう小学館様の本気に恐れ入りました。


という訳で、ますます面白くなりそうな次回がとても楽しみです!


◆◆◆◆◆◆


長過ぎる記事の後ですが、新シリーズの年表と気になることを前の記事にまとめておりますので、ご興味とお時間のある方はどうぞ。

(89)ポー新シリーズ「青のパンドラ」の予告が出ました - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

 

 

(89)ポー新シリーズ「青のパンドラ」の予告が出ました

ポーの一族」の待望の新章が『flowers』7月号から始まります!
現在発売中の6月号に予告が載りました。

 

 

 

新章のタイトルは「青のパンドラ」なんですね!
カラーはインパクトがすごい。
モノクロは「ユニコーン」Vol. 3の扉絵のエドガーを思い出しました。


アオリはどちらも


ミュンヘン
ファルカと再会した
エドガーの持つ
アタッシェケース
中には…?」


おおっ このアオリといいカラー予告の絵といい、ついに2016年の話の続きが!?
でも始まってみたら違うってこともあるかも…


と思っていたら新シリーズの「ストーリーポイント解説&コミックスガイド」というページがあって、そこにしっかり「待望の新シリーズは、既刊コミックス『ポーの一族 ユニコーン』収録の「わたしに触れるな」からつながるストーリー」と書かれていました。


わー! これは新シリーズをおさらいしておかなければ!
ってことで早速単行本を読み直しです。


2016年に始まった新シリーズはこれまでに3作品発表されています。
作品ごとに時代を行き来していて、発表順に並べるとこうなります。


「春の夢」1944

ユニコーン」Vol. 1「わたしに触れるな」2016

●  同Vol. 2「ホフマンの舟歌(バルカロール)」1958

●  同Vol. 3「バリー・ツイストが逃げた」1975

  同Vol. 4「カタコンベ」1963

秘密の花園」1888~89


これらの作品だけでも既に新事実やエピソードが盛り沢山なので年表を作ってみました。
旧シリーズの出来事も一部含まれています。
末尾に( )が付いている項目が新シリーズで、春=「春の夢」、ユ=「ユニコーン」、秘=「秘密の花園」。
その後ろの数字はVol. を表しています。


~~~~~~~~~~~~

 

BC         大老ギリシャの神官、ベルナドットはギリシャの巫女(シビュラの予言者)(ユ2)

          大老とベルナドット、国が滅亡してナポリやローマに逃れ神殿の神職に就く(ユ2)

3世紀     大老、ローマでバリー=ダイモンポーの一族に加える(ユ4)

4世紀     ローマの国教がキリスト教となり、大老が統べるポーの一族は北へ逃れるがベルナドットが統べるルチオ一族はベネチアに留まる(ユ2)

8世紀頃 大老、ハンナをポーの一族に加える (春3)

830頃    ハンナ、イングランドのヨークシャーでクロエをポーの一族に加える(ユ3)

          ハンナ、クロエやシルバーらブリトン人の仲間とヨークシャーの谷にポーの村を作る(春2) (ユ3) 

          大老、フォンティーンやバリー=ダイモンらローマ人の仲間8人とトリッポの城に住む(ユ3)

          大老、トリッポの城の仲間を殺す。フォンティーンはポーの村の地下に囚われる。バリー=ダイモンは村に来るがバラを枯らして逃げる(ユ3)

          約100年後、大老とハンナ、ポーの村を出てウェールズのスコッティ村へ(ユ3)

14世紀 ファルカ、紅ルーシ国でバリー=ダイモンによってヴァンピール(吸血鬼)になり、100年ほど共に暮らす(春3) (ユ1)

15世紀 ルチオ、シビュラの連絡係を通じてバチカンと連絡を取り始める(ユ2)

1754    ハンナ消える。エドガー、ポーの一族に加わる

1757    メリーベルポーの一族に加わる

1879    メリーベルとポーツネル男爵夫妻消える。アラン、ポーの一族に加わる

1888. 9 エドガーとアラン、クエントン館へ行く(秘1)

1889. 8 アーサー、ポーの一族に加わる(秘10)

1890    大老ベネチアのコンサートに来る(ユ2)

1925    エドガーとアラン、パリ万博でファルカと出会う(春2)

1934    エドガー、ロンドンでオービンと出会う

1944    エドガーとアラン、ウェールズアングルシー島ブランカと出会う。ダン・オットマー、サルヴァトーレによりルチオ一族に加わる。ブランカ、ファルカによってヴァンピールになる。クロエ、ポーの村のバラを枯らして逃げる。エドガーとアラン、パリへ行く(春1~6)

1945    エドガーとアラン、パリでブランカに会う(ユ2)

1958. 2 ベネチアのコンサートでエドガーはベルナドットと出会い、アランはバリー=ダイモンと出会う (ユ2)

1959    エドガーとアラン、西ドイツのガブリエル・スイスギムナジウム

1963    アラン、バリー=ダイモンと再会(1958以来)し、地下の天国に行く(ユ4)

1966    オービンの集会とクエントン館の火災

1975.6 ロンドンでエドガーはクロエに再会し、アランはバリー=ダイモンに再会する(ユ3)

1976.6 アラン炎の中に消える。バリー=ダイモンが目撃しエディスを救う(ユ3)

2000    クエントン館にアーサーのバラのアーチが完成し、オービン、ファルカ、ブランカが訪れる(秘10)

2015.12 エドガー、アーサーの所へ行く(ユ1)

2016    エドガー、ミュンヘンでファルカとシルバーに再会し、バリー=ダイモンと出会う(ユ1)    

「バリー=ダイモン」は正式な名前ではありません

 

~~~~~~~~~~~~


年表の最後が2016年のミュンヘンで、今度始まる「青のパンドラ」はここから繋がるわけですね。


もしかすると旧シリーズを読んだことがない方もいらっしゃるかもしれないので僭越ながらちょっとご説明。


旧シリーズの最後の作品は1976年発表の「エディス」で、物語も同年の話でした。
「エディス」のラストでアランは炎の中に消えてしまいます。
エドガーの方は消息がはっきり描かれていなかったのでファンは長い間ヤキモキしていました。


それが40年の沈黙を破って2016年に新シリーズ開始!
ファン歓喜!!


1作目の「春の夢」は1944年の話でしたが、2作目の「ユニコーン」Vol. 1「わたしに触れるな」は2016年。
消息の分からなったエドガーがついに姿を現す!
ファン狂喜乱舞!!


しかもエドガーが大事に抱えていたアタッシェケースの中に、消滅したと思われていたアランがいると言う。
ほとんど炭のような状態で。
ファン驚愕!!


そこへバリー=ダイモンという得体のしれない人物が現れて、どうなる!?どうなる!?とハラハラしていた話の続きが、このたびようやく動き出そうとしてるんですよ。
待ってました~!


あ、先ほどからバリー=ダイモンと書いているのは、この人のことです ↓

(『ユニコーン』2017年 小学館より。下も同)


名前が「バリー」「ダイモン」などいくつもあるので、このブログでは便宜上「バリー=ダイモン」としています。
今後のストーリー展開によっては呼び方を変えるかもしれません。
いずれにしろ新シリーズのキーパーソンです。


~~~~~~~~~~~~


さてさて新シリーズの単行本を読み返すと、今後のストーリーに関わる(かもしれない)気になることが目白押しなので忘れないように書き出してみます。


まずは3作品の中でも要と思われる「ユニコーン」から。


エドガー】


①バリー=ダイモンは、エドガーがアランを蘇らせるために何をしたか知っていると言う。エドガーは何をしたのか。


ミュンヘンに来る時「少しイギリスから離れたかった」のはなぜか。


③グールのままの指先は何を引き起こすのか。


【アラン】


①バリー=ダイモンから本名を告げられた時、忘れる暗示もかけられていたのに思い出せたのはなぜか。
また、エナジーをもらったとすればそれが何かに作用するのか。


②1975年にバリー=ダイモンに会った途端に貧血気味になったのは理由があるのか。
1963年以来の再会ではなく、その間にも会ったことがあるのか。


③犬を怖がることが今後のストーリーにどのように絡むのか。


④2016年の時点でどの程度の意識があるのか。


【バリー=ダイモン】


①カフェの時計の針を一斉に進ませて見せたのはどのような能力か。
時間を支配できる?


エドガーやアランの前にタイミングよく現れたり、初対面のはずのブランカの家族がナチスに迫害されたことを知っていたりする。
どのようにして皆の動向を把握するのか。


③ポーの村から追放されたのは皆が自分を怖がったからだと言う。
実際、シルバーは彼をひどく恐れている。
バラを枯らした位ではそこまで恐れない気がするが、まだ明かされていない能力や出来事とは。


④バリー=ダイモンがシルバーに「ずいぶんと久しぶりに会ったのに よくわかったなァ」と言うと、シルバーが「…おまえの においは変わらない…!」と返している。
前に会った時は外見が違っていたのか。


⑤ファルカはバリー=ダイモンのことを「バチカンからも人間からも仲間からも嫌われてる」と言う。
バチカンとトラブルがあったのか。
それにはルチオが絡んでいたのか。
「人間」とは誰のことか。


⑥「ユニコーン」と呼ばれると逆らえないのは異母兄フォンティーンの暗示によるためか。


⑦バリー=ダイモンの究極の目的は大老を殺し、フォンティーンを取り戻して再生させること。
地下に塔を造って何をするつもりなのか。
目的のためにアランまたはエドガーが必要なのか。


⑧アランに執着するのはなぜか。
同族の子どもだから? 
ピュアで無垢だから? 
兄と同じ金髪だから? 
兄を救うために利用するという下心を抜きにしても惹かれる気持ちがあるのか。


大老に負けてカラカラに干からびても100年ほどで再生する。
どのようにして? 
それがアラン再生にも繋がるはず。


【ポーとルチオ】


①元々はギリシャの神官だった大老ポーと巫女だったシスター・ベルナドットは、いかにしてヴァンピールに変化したのか。
大老エナジーが月桂樹の香りなのはアポロン神と関係あるのか。
ルチオは男性ばかりなのに始祖のベルナドットが女性なのはなぜか。
他にも変化した神官や巫女はいるのか。


②ベルナドットがエドガーと対面した後で「……あの方は…来た?」と側近に聞いているのは誰のことか。
大老ではない気がするので、もしや自分を変化させた者?


③ポーの「眠り病」とルチオの「眠れない病」との関連性は?


④ルチオとバチカンとの新しい連絡係になると思われるアマディ神父が物語に果たす役割は?


エドガーは老ハンナがギリシャからローマを経てイギリスに来たと思っていた。
大老も「メリーベルと銀のばら」で「わたしたちはローマの灯を見 フィレンツェの水を渡り ともに咲けるばらを追った」と言っている。
それなのにハンナ自身がクロエにブリトン人だと言っていたのはどういう理由か。


⑥かつてハンナの館があったスコッティ村の一帯がなぜ「グールの丘」と呼ばれるようになったのか。
館が村人に襲撃された時に瀕死のポーがグールになった?


⑦グールとはどんな怪物か。
「“グール”のような怪物に変化してた」というエドガーの言葉を受けてファルカは「ひどく弱ると…ひからびて…小さくなってしまう時があるよな…そしてそのまま消えたり…」と言っていて、今のアランがこの状態ではないかと思われる。
グールはこれとは異なる怪物のようだが?


【その他】


①フォンティーンは地上のバラにエナジーを与え続けているはずなのに美しいまま変わらないのはなぜか。


②クロエがエドガーにバリー=ダイモンの過去を話しておきながら行方を知らない振りをするのは何か企んでいるからか。


ブランカミュンヘンに来なかった理由は。


ジュリエッタはバリー=ダイモンがアランに名前を告げた時に一部始終を見ていたが、もう関わることはないのか。


~~~~~~~~~~~~


ユニコーン」だけでもこんなにあります。
更に「春の夢」と「秘密の花園」の気になることも挙げてみると


①アランがエドガーからエナジーを分けてもらいながら「きみの考えが伝わってくる」と言っている。
エドガーがブラザー・ガブリエルのエナジーを奪った瞬間にはブラザーの記憶が入り込んできた。
エナジー摂取の際に意識まで取り込まれることがあるらしい。
この現象は何に関わってくるのか。
アランの再生に?


エドガーは「目」を使っての移動や軽い催眠術ができるが、他にも特殊能力があるのか。
どういう場面で発揮されるのか。


③シルバーが犬を使うのはアランが犬を怖がることに関係してくるのか。


④ケイトリンは再登場するか。


⑤ポーの村の入口はレイラインの交差点にあり、その近くにいたレイラインの研究者をクロエが殺している。
この件が及ぼす影響は?


⑥瀕死のブランカを救うためファルカが壁から現れたのを目撃したアダム。
誰にも話していないのか。
生きていれば2016年に83歳のはずで、エドガー達に遭遇する可能性もあるのでは?
オービンが出版した吸血鬼伝説『はるかなる一族』を読んだかも。


⑦アダム以外にもオービンの本を読んだ人間が新たなバンパネラハンターになってはいないか。
例えばクロエが殺した研究者の仲間とか。


⑧クエントン館がホテルに改装されて新たな舞台になるのか。


~~~~~~~~~~~~

 

色々ありますが、これらの他に私が特に気になっているのが「名前」です。
新シリーズはどうも名前がキーワードのような気がして。


例えば「春の夢」でサルヴァトーレがダンをルチオ一族に加える時、ダンの母に「彼が目覚めたら…名前を呼んでほしいのです 静かに…」「狂おしい混乱に陥る者もいます…名前を呼んで…落ちつかせてほしい」と頼んでいます。


ユニコーン」でエドガーは長い眠りから目覚めた時、誰かが呼ぶ声で自分を取り戻します。
それを聞いたファルカの言葉は「長く眠って目覚めた時は自分の名前を呼ぶ声が頭の中に聞こえるんだ」「それは昔 人間から変化して目覚めた時 呼びかけられた名前だよ」「オレたちはその名前を持ってるから何百年と生き続けていても自分を忘れず見失わずにすむんだ」。


ファルカのこの言葉は上のサルヴァトーレの言葉と繋がります。


バリー=ダイモンの本名はフォンティーンが付けた名前。
この名で呼ばれると逆らえない。
でも、その名を知っているのがフォンティーンだけということは、城で共に暮らしていた継母(フォンティーンの実母)も知らなかったということ?
なら、それは本当の意味での本名ではないような。
いや、そうじゃなくて城の仲間は大老以外もう死んでしまったので、今では知っているのがフォンティーンだけという意味なのか?


この人の名前にはまだ謎がありそうで気になります。
それにファルカのこのセリフ


「“ダイモン”という呼び名も
“バリー”という名もウソだ
“ミューズ”
ナイチンゲール
“ブルーローズ”
他になんと名乗っている!?」

 

 

「ダイモン」「バリー」「ミューズ」は既に出てきました。
でも「ナイチンゲール」と「ブルーローズ」はまだです。
この2つの名前も多分これから出てくるよね…
と思っていたら新章のタイトルが「青のパンドラ」。
ま、まさかブルーローズ!?


と1人で色めき立っておりますが、まあ私の予感なんて当たらないでしょう。
リストアップした諸々の気になることを頭に置いて新章を楽しみたいと思います。


『flowers』7月号は普段より早く5月27日(金)頃発売です ♪ ←回し者?


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ポーシリーズの年代順作品リストです。よろしければご参考までにどうぞ。

(15)この作品は、いつ頃のお話?~⑤ポーシリーズ年代順作品リスト - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

 

 

記事(61)に画像追加+追記しました

「(61)『トーマの心臓』イラスト集②」に画像5点の追加と追記を行いました。

別冊少女コミック』に載っていた『週刊少女コミック』の広告の画像を1点追加

同『週刊少女コミック』の広告のまとめを追記

単行本のカバー裏イラスト3点と『テレビランド増刊イラストアルバム⑥萩尾望都の世界』に載っていた同じイラスト1点を追加

(61)「トーマの心臓」イラスト集② - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

 

 

(88)1970-71年イラスト集②

先月に引き続き1970年と71年の雑誌に掲載された萩尾先生のイラスト集です。


先月はこちら ↓
『なかよし』『週刊少女コミック』『週刊少女コミック増刊』のイラストでした。

(87)1970-71年イラスト集① - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記


今月は71年の『別冊少女コミック』の予告カットをお届けいたします。
号数は作品の掲載月ではなく予告の掲載月です。


特に記載のない限り出版元は小学館です。
古い雑誌のコピーの画像ですのでコンディションは良くありません。どうぞご了承ください。
このイラスト集はファンの方に個人的に楽しんで頂きたいと思って作りました。萩尾先生ならびに出版元様より削除のご要請がありました場合は速やかに削除いたします。

 

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別冊少女コミック

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1971年2月号
「雪の子」

 

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タイトルと絵がマッチしているので違和感がありませんが、これってどう見ても「雪の子」じゃありませんね。
と言うか「ベルとマイクのお話」っぽいですよね。
「ベルとマイクのお話」は『週刊少女コミック』71年3・4合併号に掲載されたので、その予告用の絵がこちらに回されたのでしょうか。

 

1971年4月号
「かわいそうなママ」

 

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「母と子の美しい愛の物語」


作品を読んだ方は、このアオリに首をかしげるかもしれません。
だって主人公の男の子がママの幸せを願って殺してしまうお話なんですから。
でもそれ以上に驚きなのは、作品が「母の日特集」として掲載されたこと。
扉絵には「特異なタッチでえがく萩尾先生の “母の日特集②”」と書かれていました。

 

1971年6月号
「精霊狩り」

 

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「西暦××××年の未来社会には きみょうな風習が…」


モノクロは上からダーナ、リール、リッピ。
カラーの絵は作品の扉絵とリンクしています。
ただし作品中ダーナが剣を使う場面はありません。

 

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(『萩尾望都作品集13 11人いる!』1995年より)


更に別のカットもあります。

 

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(『テレビランド増刊イラストアルバム⑥萩尾望都の世界』1978年 徳間書店より)


作品の中にダーナがベールを被っている絵はないのですが、予告の時点ではこのようなイメージだったようです。

 

1971年8月号
「ケネスおじさんとふたご」

 

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カラーの方は、よく見るとケネスのお尻が落ちる辺りに剣山みたいな物(何か西部劇に出てくる物?)を置いているんですよ。
ヒドイ。
モノクロはボニーがミシェルに葡萄酒を飲ませてミシェルが酔っ払う場面です。

 

1971年9月号
「秋の旅」

 

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全体が見える絵もあります。

 

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(『テレビランド増刊イラストアルバム⑥萩尾望都の世界』1978年 徳間書店より)


ヨハンとルイーゼです。
クライン家の庭に咲き乱れていたバラが背景に描かれています。

 

1971年10月号
「秋の旅」扉絵

 

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予告カットではないのですが、作品のムードとミスマッチな題字が面白くて載せてみました。
ヨハンの服もバラも予告の絵と同じです。

 

「11月のギムナジウム

 

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カラーはとても印象的。
モノクロは「秋の旅」の本編内に挿入されていました。
上はエーリク。
下の中央がトーマ。
後ろで右手を上げているのは髪型からフリーデルかなと思ったのですが、黒髪ではないのでオスカーでしょうか。


アオリは
萩尾望都先生がこの秋におくる話題作――!
11月のギムナジウム


載せられませんでしたが上の方に「別冊11月号のお知らせ 萩尾望都先生の会心作!」と書かれていました。


そしてこちらは別カット。
オスカーがエーリクを講堂に呼び出す場面です。

 

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(『テレビランド増刊イラストアルバム⑥萩尾望都の世界』1978年 徳間書店より)

 

1971年11月号
「白い鳥になった少女」

 

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カラーが美しいですね。
モノクロは別冊と同じ予告カットが『週刊少女コミック』47号にも載っていて、別冊よりも見やすかったので画像はこちらを使用しました。

 

1971年12月号
「あそび玉」

 

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モノクロはティモシーと、彼を探しに来たサイボーグでしょうか。

 

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まだ先になりますが、1972年のイラストもいつかご紹介できればと思います。