「ポーの一族」旧作のイラスト集、予告・表紙・合同扉絵編の続きです。
⑤は「エヴァンズの遺書 前・後編」「ペニー・レイン」「リデル・森の中」のイラストです。
*特に記載のない限り出版元は小学館です。
*ほとんどが古い雑誌のコピーの画像ですのでコンディションが良くないものもあります。特にモノクロは不鮮明だったり裏写りしたりしています。また、絵の傾きを補正しきれていません。どうぞご了承ください。
*このイラスト集は旧作のレアなイラストをご紹介してファンの方にポーの世界をより楽しんで頂きたいという思いで作りました。萩尾先生ならびに小学館様より削除のご要請がありました場合は速やかに削除いたします。
●「エヴァンズの遺書」前編
◆予告カット
『別冊少女コミック』1974年12月号
第2シリーズ第1作となる「エヴァンズの遺書」。
通常の予告とは別に丸々1ページを使って出された予告です。
「*おまたせしました! ポーの一族 続編ついに登場――
萩尾望都先生の一大ロマン
永遠の生命(いのち)を持ち 時の流れを越えて生きる
吸血鬼(バンパネラ)ポーの一族の物語
別コミ新年特大号より 堂どう掲載!
新企画 ポー・シリーズ
エヴァンズの遺書」
いつもとちょっと感じの違うキラキラお目々のエドガーです。
エヴァンズの「ズ」が「ス」になっていますが、この間違いは予告に限らず結構多いです。
「ついに登場!
熱狂的な話題をまいたポーの一族の物語
構想も新たに贈る萩尾先生の意欲作!」
(2019. 9. 20 追加)
こちらは他の作家さんの作品内に挿入されていたため見落としていたのを発見しました。
これまで載せていた『週刊少女コミック増刊フラワーコミック』1974年冬の号の予告カットは、こちらの絵の一部ですので削除しました。
1冊の雑誌の中に全面広告を含む予告を4つも載せるとは、新シリーズに寄せる期待の大きさが窺えますね。
「エドガーは…
アランは…
時の流れのままに
なにを見るのか……」
◆予告カット
『週刊少女コミック増刊フラワーデラックス』1976年8月刊(2018. 9. 18 追加)
上の2つのモノクロ予告カットの完全版です。
◆表紙カット
『別冊少女コミック』1975年1月号
水の中で魔性に目覚めるエドガーをイメージさせるカットです。
お正月号の表紙ということで扇形にトリミングされています。
◆目次カット
『別冊少女コミック』1975年1月号(2020. 6. 22 追加)
雪の中のアーネストです。
◆目次カット
『ポーの一族 プレミアムエディション 下巻』2019年刊(2020. 6. 22 追加)
上の絵の完全版です。
●「エヴァンズの遺書」後編
◆予告カット
『別冊少女コミック』1975年1月号
樹の上で眠っているかのようなエドガー。
木洩れ日がセピアの世界を金色に染め、どこかノスタルジックな雰囲気で私の大好きなカットです。
さびしげな表情のエドガー。
アオリは前編の予告と同じです。
◆予告カット
『別冊少女コミック』1975年1月号 前編内
時がきた めざめ出ておいで
うずもれた追憶の中の金色のネコ
少女がおまえをさがしているよ」
この文章は多分萩尾先生が書かれたのだろうと思いますが、まるで上のカラー予告のエドガーに語りかけているようです。
黒猫を抱いたエドガーは新鮮な感じが。
そういえばポーシリーズには今まで馬以外の動物が出てきませんね。
あ、「春の夢」にカラスが出てきましたか。
本編内の予告はこれが最後になりました。
●「ペニー・レイン」
◆予告カット
『別冊少女コミック』1975年4月号
(モノクロは『別コミ』の画像が暗いため、『週刊少女コミック』19号掲載の同じものを使用しています)
カラーはアランを抱きかかえるエドガー。
モノクロは上にエドガーが、下に眠るアランが横向きに描かれ、間に館があって雨が降っています。
どちらも物語が思い浮かぶ予告カットです。
メリーベルと男爵夫妻を一度に失い、なかなかこないアランの目覚めを祈るような気持ちで待つエドガー。
山賊に銃を突きつけられても動じないのに、アランが外に出ていったことに気づいて取り乱すエドガー。
カラー予告からは「これから自分がアランを守っていかなければ」という決意のようなものまで伝わってくる気がします。
この絵は掲載誌の表紙にも載っていて当時とても印象に残りました。
●「リデル・森の中」
◆予告カット
『別冊少女コミック』1975年5月号
これ、どちらも「リデル・森の中」の予告なんですよ。もうびっくりです!
カラーはタイトルが「一週間」で絵はアランのアップとエドガー。
どう見ても「一週間」の予告ですね(「一週間」はアランが留守番する話です)。
そしてモノクロはタイトルが「一週間(仮題)」で絵はリデル。
ただ、本編のリデルより少し大きい女の子という印象です。
これは一体どうしたことでしょうか?
カラー予告はモノクロ予告よりも入稿が早いと聞いています。
おそらくカラー予告が描かれた時点では「一週間」の話の予定だったのが、何かの事情で「リデル・森の中」の話に急遽変更になり、モノクロ予告の入稿時にはタイトルがまだ決まっていなかったのではないか――というのが私の想像です。
◆表紙カット
『別冊少女コミック』1975年6月号
はい、こちらは本編そのままのリデルです。