亜樹の萩尾望都作品感想ブログ

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(87)1970-71年イラスト集①

以前からポツポツと萩尾先生の初期作品の魅力を勝手に語らせて頂いておりますが、今月と来月は1970年と71年の雑誌に掲載されたイラストをご紹介いたします。


今月は『なかよし』『週刊少女コミック』『週刊少女コミック増刊』のイラストです。


特に記載のない限り出版元は小学館です。
古い雑誌のコピーの画像ですのでコンディションは良くありません。どうぞご了承ください。
このイラスト集はファンの方に個人的に楽しんで頂きたいと思って作りました。萩尾先生ならびに出版元様より削除のご要請がありました場合は速やかに削除いたします。

 

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『なかよし』(講談社

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1970年2月号

 

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「クールキャット」のカットです。
萩尾先生は『なかよし』69年夏休み増刊号に掲載された「ルルとミミ」でデビューされました。
その後「すてきな魔法」(69年9月号増刊)を経て、3作目が「クールキャット」です。


こちらのカットは掲載誌の読者ページ「なかよし新聞」に載っていたもので、編集部からの「おたよりや、にがお絵をたくさん送ってね」などというコメントが書かれています。

 

1970年(2022. 3. 29 追加)

 

(『テレビランド増刊イラストアルバム⑥萩尾望都の世界』1978年 徳間書店より)


「ケーキ ケーキ ケーキ」のカットです。
この作品は『なかよし』1970年9月号と10月号の別冊付録だったので、本誌の方に載った予告カットかもしれませんが未確認です。

 

1971年4月号

 

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「ジェニファの恋のお相手は」の合同扉です。
「エイプリルフール特集 うそからでたまこと競作」って面白いですね。


ちょっとびっくりなのですが、発表時のタイトルは「ジェニファのおあいては」でした。
この作品は『週刊少女コミック』73年41号に再録されましたが、その時に改題されたようです。

 

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『週刊少女コミック

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1971年2号

 

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翌週の3・4合併号に掲載の「ベルとマイクのお話」の予告です。
アオリは


「31ページ
本誌初登場!! 萩尾望都先生
少女のふるえるような初恋とは」


「ベルとマイクのお話」は小学館の雑誌に初めて載った作品なので、この予告が小学館における記念すべき初カットだと思います。

 

1971年38号

 

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翌週号に掲載の「もうひとつの恋」の予告。
アオリは


「長編よみきり劇場 40ページ
快活な少女ジョンバインが、はじめて恋を知り、そして…
――ジョンバイン泣かないで 君は女の子 夢をごらんよ――」


えっ、この絵もアオリもびっくりです!
だって読んだことのある方はご存じでしょうけど「もうひとつの恋」ってコメディなんですから!
それに主役はジョンバインより、むしろ弟のビッキーですから(上の男の子はビッキーではありません)。
この予告の時点では一体どんなストーリーになる予定だったのか気になります。

 

1971年45号

 

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綴じ込み付録の香水入り花嫁カード。
5人の先生方がイラストを描かれていて、こすると白檀のような香りがします。
花嫁のうち3人はドレス姿で、すずき真弓先生と萩尾先生が和装のイラスト。


萩尾先生のものだけ裏面に詩が書かれています。


「長女のくせに一番チビで
いつも片想いばかりしてて
絵本が好きで
智恵子抄に泣いて
……姉さん……姉さん
お嫁に行くの
――しあわせにね
これしかいえない
――しあわせにね
  しあわせにね
――萩尾望都――」


とても物語を感じさせる詩ですよね。
何か作品のアイデアがあったのでしょうか。
それとも、ご自身のお姉様のイメージ?

 

1971年49号

 

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カレンダーの全員プレゼントの広告です。
萩尾先生の絵は民族衣装が細部まで丁寧に描かれていて素敵ですね。


このカレンダーは「週刊少女コミック躍進特別企画」で20人以上の先生方が筆を執っていたようです。
下の方に芸能人の顔写真が付いているため画像はトリミングしています。

 

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『週刊少女コミック増刊』

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1971年春の号

 

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巻頭カラーの「花嫁をひろった男」の扉絵です。
アオリは


「長編よみきりサスペンスコメディ
うらないを信じてミニのウエディングの
花嫁をひろった青年オスカーは…」


この作品は73年の『週刊少女コミック増刊フラワーコミック春の号』に再録されたのですが、その時に下のカラー扉絵に差し替えられました。

 

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この時は「萩尾望都作品集」として掲載されたので「ケネスおじさんとふたご」「精霊狩り」との合同扉になっています。
そしてこの扉絵は『萩尾望都作品集2 塔のある家』所収版でもモノクロで使われています。


更に別のモノクロバージョンもありました。

 

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(『プチコミック』1977年創刊号より)


並べてみると絵がずいぶん違いますね。


また、71年の「花嫁をひろった男」の本編内には『別冊少女コミック』5月号に掲載の「かわいそうなママ」の予告カットも挿入されていました。

 

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アオリは


「あなたのハートによびかけるけっ作!
かわいそうなママ
別冊少女コミック5月号(4月13日発売)
少女まんが界の詩人・萩尾望都先生がおくる長編よみきりまんが」


「少女まんが界の詩人」って先生にぴったりですね。

 

1971年夏の号

 

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イラスト入りTシャツが各5名、計35名に当たるプレゼント企画です。
不鮮明なのですが、右の女の子が着ているイエローのTシャツが萩尾先生のイラストのようです。


上に並んでいる絵と2種類あるのかなと思ったのですが「少女コミックファンのあなたのために、先生がたがじかにシャツにかいてくださったのよ!!」と書かれているので、もしかして5枚全部直筆の違う絵柄だったのでしょうか。
だとしたらスゴイ!

 

1971年冬の号

 

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巻頭のクリスマスソングイラスト集です。
まるで外国の児童文学の挿絵のような雰囲気ですね。


71年頃の子どもにとって欧米の文化はまだ見ぬ憧れの世界で、本を読んであれこれ想像してはワクワクしたものでした。
例えばクリスマスには家の中にツリーを飾って、その下にプレゼントを置くとか。
暖炉のそばに靴下を吊るすとか。


当時を思い出して懐かしさを憶えます。
同世代の方には分かって頂けるでしょうか。

 

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次回は1971年の『別冊少女コミック』に掲載された予告カットをご紹介いたします。