亜樹の萩尾望都作品感想ブログ

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1969-73年作品

(106)「小夜の縫うゆかた」「毛糸玉にじゃれないで」~等身大の日本の少女たち

こんにちは。今月は「青のパンドラ」がお休みなので、久しぶりに萩尾先生のデビュー直後の作品をご紹介したいと思います。 初期作品は圧倒的に外国が舞台の話が多いのですが、今回取り上げるのは日本の少女の内面を描いた2作です。2人とも私達と同じ日常を生…

(88)1970-71年イラスト集②

先月に引き続き1970年と71年の雑誌に掲載された萩尾先生のイラスト集です。 先月はこちら ↓『なかよし』『週刊少女コミック』『週刊少女コミック増刊』のイラストでした。 (87)1970-71年イラスト集① - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記 今月は71年の『別冊少…

(87)1970-71年イラスト集①

以前からポツポツと萩尾先生の初期作品の魅力を勝手に語らせて頂いておりますが、今月と来月は1970年と71年の雑誌に掲載されたイラストをご紹介いたします。 今月は『なかよし』『週刊少女コミック』『週刊少女コミック増刊』のイラストです。 *特に記載の…

(86)「キャベツ畑の遺産相続人」~初期コメディの決定版

萩尾先生の初期作品をご紹介するシリーズ、今回は「キャベツ畑の遺産相続人」。私の中では「3月ウサギが集団で」と並ぶ初期コメディの決定版です! (『萩尾望都作品集10 キャベツ畑の遺産相続人』1995年 小学館より。以下同) 「キャベツ畑の遺産相続人」は…

(85)「あそび玉」「6月の声」~初の本格SF

2022年が始まりました。今年も萩尾先生がお元気に作品を描いてくださいますように。そしてこのブログを訪問してくださった皆様にとりましても、昨年より良い年になりますよう願っております。 さて、何となく気付いていた方もいらっしゃるかもしれませんが、…

(83)「爆発会社」「ケーキ ケーキ ケーキ」~進め! 女の子

『flowers』12月号に「秘密の花園」の後日譚「ポーの一族 満月の夜」が掲載されました。その感想を書こうと思っていたのですが、とても短い作品なので次にフラワーコミックスの感想と一緒に書くことにして、萩尾先生の初期作品シリーズを続けたいと思います…

(80)「クールキャット」「ケネスおじさんとふたご」~可愛いドタバタ劇/「プシキャット プシキャット」

「秘密の花園」が1回お休みなので、久しぶりに萩尾先生のデビュー直後の1969年から73年までの作品をご紹介したいと思います。今回スポットを当てるのは小学生向けの楽しい2作品「クールキャット」と「ケネスおじさんとふたご」です。 ■■■■■■■■■■■ 「クールキ…

(64)「ルルとミミ」「すてきな魔法」~デビュー作と2作目

1969-73年作品の感想シリーズ、今回は萩尾先生のデビュー作「ルルとミミ」と2作目の「すてきな魔法」です。「ルルとミミ」は『なかよし』69年夏休み増刊号に、「すてきな魔法」は同69年9月号増刊に掲載されました。 2010年に出版された『文藝別冊 総特集 萩…

(63)「11月のギムナジウム」~もうひとつの「トーマの心臓」

今月は少々出遅れてしまいました。もし何度か来てくださった方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。 さて、1969-73年作品シリーズ、今回は最近「トーマの心臓」関連の記事が続いたこともあり「11月のギムナジウム」の感想を書いてみたいと思います。 …

(62)オスカーの系譜を辿ってみました

「トーマの心臓」のオスカーと言えば、ハンサムでカッコよくて頭もよくて機転がきいて統率力があって、しかも優しくて頼りになって…(以下エンドレス)とにかく魅力的なお方ですね。 (『萩尾望都パーフェクトセレクション2 トーマの心臓Ⅱ』2007年 小学館よ…

(59)「モードリン」「花嫁をひろった男」~映画みたいなサスペンス

1969-73年作品、今回はサスペンス2編です。まずは私が特に好きなこちらから! ■■■■■■■■■ 「モードリン」 ■■■■■■■■■ (『萩尾望都作品集2 塔のある家』1995年 小学館より。以下同) こちらは『週刊少女コミック』1971年29号に掲載された40ページの作品です。…

(58)「ベルとマイクのお話」「ママレードちゃん」~不器用な初恋物語

萩尾先生がデビューされた1969年から73年までの作品を感想を交えつつご紹介するシリーズ、久々に再開です。はじめは自分が特に好きな作品をピックアップして書くつもりだったのですが、好きな作品が多過ぎて結局全部ご紹介することにしました。たびたび中断…

(47)「3月ウサギが集団で」~この騒々しくも愛すべきヤツら/「ごめんあそばせ!」「ジェニファの恋のお相手は」

1969-73年作品、今回はとにかく楽しい!学園コメディ「3月ウサギが集団で」。『週刊少女コミック』1972年16号に掲載された40ページの作品です。 (『萩尾望都作品集5 3月ウサギが集団で』1995年 小学館より。下も同) まずタイトルの「3月ウサギ」って何?…

(46)「秋の旅」~豊潤に薫る読後感/「雪の子」

2019年が明けました。今年は萩尾先生のデビュー50周年という記念すべき年ですね! ~~~>>>***<<<~~~ 萩尾先生、50周年おめでとうございます!沢山の素晴らしい作品を生み出してくださってありがとうございます。同じ時代に生きて新作を読むことがで…

(45)「塔のある家」~妖精を信じていた頃/「千本めのピン」

萩尾先生のデビュー直後の1969年から73年までの作品の中から私が特に好きな作品の感想を書くシリーズ(?)、1作目は「塔のある家」。『週刊少女コミック』71年12号に掲載された31ページのファンタジックなおとぎ話です。 (『萩尾望都作品集2 塔のある家』1…

(44)初期作品の魅力

今回のテーマは「初期作品の魅力」。だけど1969年のデビュー以来コンスタントに作品を発表され続け、来年には画業50周年を迎えようとしておられる萩尾先生の作品群のどこまでを初期と呼ぶのか?という話ですよね。70年代の作品をひとまとめに初期と括っても…