②は「ポーの一族」全4話のイラストです。
*特に記載のない限り出版元は小学館です。
*ほとんどが古い雑誌のコピーの画像ですのでコンディションが良くないものもあります。特にモノクロは不鮮明だったり裏写りしたりしています。また、絵の傾きを補正しきれていません。どうぞご了承ください。
*このイラスト集は旧作のレアなイラストをご紹介してファンの方にポーの世界をより楽しんで頂きたいという思いで作りました。萩尾先生ならびに小学館様より削除のご要請がありました場合は速やかに削除いたします。
●「ポーの一族」第1話
◆予告カット
『別冊少女コミック』1972年8月号
シーラですね。
印刷が薄いのでわかりにくいかもしれませんが、座った状態で背後の人物の左手に自分の右手を重ね、妖しく微笑んでいます。
後ろにいるのは男爵なのでしょう。
◆予告カット
『週刊少女コミック夏休み大増刊』1972年8月25日号
あれ?「ポーの一族」の予告なのにエドガーがギムナジウムの制服着てる?
よく見たら「グレンスミスの日記」1ページ目の2つの絵を合成したものでした。
◆予告カット
『別冊少女コミック増刊フラワーコミック』1972年8月号(8月15日号)
「グレンスミスの日記」の予告に続いて、このアランの髪も本編と違いますね。
本編1話のアランはこちら。
(画像は『萩尾望都パーフェクトセレクション6 ポーの一族Ⅰ』より)
もしかしてアランのキャラクターデザインは難航したのでしょうか。
個人的に私、この予告の髪のアランがとても好きなんですよね ♪
あっ、もちろん本編のセンター分けスタイルも好きですよ。
◆合同扉絵
『別冊少女コミック』1972年9月号
薄いとばりの向こうからバラを背景にこちらを見つめるエドガー。
1話の予告と合同扉にはすべて「怪奇ロマンシリーズ」と書かれていて、このキャッチフレーズはこの時から始まったようです。
●「ポーの一族」第2話
◆予告カット
『別冊少女コミック』1972年9月号
◆合同扉絵
『別冊少女コミック』1972年10月号
2話の予告カットと合同扉絵はどれもアランを襲う、または襲おうとするエドガーです。
合同扉はかなりインパクトがありますね。
実は私、昨年の「くじ」でこの絵のクリアポスターをゲットしまして…怖いんですけど美しいです。
●「ポーの一族」第3話
◆予告カット
『別冊少女コミック』1972年10月号
海辺の小屋のシーラとクリフォード。
3話のクライマックスシーンです。
「最終回」と書かれていますが「ポーの一族」は全4話なので最終回ではありません。
モノクロ予告は2話の予告と同じ絵が使われています。
◆予告カット
『別冊少女コミック』1972年10月号 第2話本編内
この頃は作品の中に予告が入ることがよくありました。
たいていは左ページの左端に縦ブチ抜きで入っていて、単行本ではその部分に絵を足してうまくカバーしたり、カットや文章で埋めたりしていたのです。
この予告も2話の本編内に挿入されたもので、絵はメリーベルを抱きしめるアラン、文は次のとおりです。
「――11月号予告――
萩尾望都先生がお贈りする
怪奇ロマンシリーズ
『ポーの一族』
ひそやかに永遠のときを
生きつづけるポーのひとびと
十月号よりつづいて…」
●「ポーの一族」第4話
◆予告カット
『別冊少女コミック』1972年11月号
モノクロは重傷を負ったシーラを抱きかかえるエドガーです。
◆予告カット
『別冊少女コミック』1972年11月号 第3話本編内
メリーベルの涙の横顔と銃を構えるクリフォード。
文は次のとおりです。
「――12月号予告――
『ポーの一族』〈最終回〉
クリフォード医師にその正体を見抜かれ
一家は市(シティ)をはなれる決心をする――
いっぽう マーゴットとの結婚を
しつようにおじにせまられてアランは――」
◆予告カット?
『テレビランド増刊イラストアルバム⑥萩尾望都の世界』1978年 徳間書店
初出も予告カットかどうかもわからないのですが、他作品の予告カット等と一緒に「ポーの一族」として掲載されていたものです。
萩尾先生は2017年11月2日にワシントン大学シアトル校で講演をなさいましたが、その会場のスクリーンの絵がポーシリーズの予告カットで構成されていて、そこにこのカットも含まれています。
萩尾ファンなら皆さんご存じの素晴らしいウェブサイト「萩尾望都作品目録」内の「ニュース」で画像を見ることができます。
2017年11月6日付の記事「萩尾望都先生のアメリカ講演の旅レポート(その1)」をご覧頂くと、3つ目の写真がスクリーンを斜めから映したものです。
萩尾望都先生のアメリカ講演の旅レポート(その1) - ニュース:萩尾望都作品目録
記事の末尾の「現地の方たちのツイートをまとめました。」からTogetterの記事に飛ぶと、もっとよく見える写真があります。
萩尾望都先生2017年アメリカでの講演会のツイートまとめ - Togetter
スクリーンは中央に萩尾先生と女子美術大学の内山博子先生の名前が書かれ、その上下に5つずつカットが並んでいます。
下列の右から2つ目がこの絵で、他のカットは次のとおりです。
〈上列 左から右へ〉
・「ポーの村」
・「小鳥の巣」第4話
・「ポーの一族」第2話・3話
・ 未見。雪の中のエドガーのようですが「エヴァンズの遺書」のアーネストのようにも見えます。
・「グレンスミスの日記」
〈下列 左から右へ〉
・「ポーの一族」第1話
・「ポーの一族」第4話
・「メリーベルと銀のばら」第3話
・ この絵
・「エディス」中編
それにしても2017年のイベント時にこれらのカットが使われたということは、今も原画が保存されているということですよね。
ぜひ書籍にまとめて見せて頂きたいものです。
~2019. 2. 26 追記~
スクリーンのカットはすべて『ポーの一族 プレミアムエディション』に掲載されました。
萩尾先生、小学館様、ありがとうございました!
「未見」としていた絵はエドガーではなく雪の中のアーネストでした。