「アランは、わがまま」とよく言われます。
お金持ちの一人息子で甘やかされて育ったから、子どもっぽくてわがままなんだ、と。
ファンから見れば、そんなところも魅力の1つなのですけれど。
でも本当に、単なるわがままなのでしょうか?
エドガーとともに旅立つまで、アランの周りは敵ばかりでした。
8歳の時に父と婚約者を亡くしてから、亡き父の商会を継いだ伯父一家は我が物顔に振る舞うし、ご機嫌とりの連中ばかりが寄ってくるし、性格の悪い従姉と無理やり結婚させられそうになるし。
そのうえ最後には愛していた母にも裏切られて――。
これでは人間不信に陥っても仕方がないですね。
私は、アランは人間界に別れを告げてからも、それまでの人間不信をずっと引きずっていたのだと思うのです。
だから初めて心を許し合えたエドガーには、いつも自分だけを見ていてもらいたがるのでしょう。
そして同年代の女の子や小さい子ども(リデルやロビン)は自分に害を与えないとわかっているから、警戒せず自然に振る舞えるのでしょう。
では、そんなアランをエドガーはどう思っていたのでしょうか?
次の「(2)エドガーの気持ち①」に続きます。
(初投稿日:2016. 12. 14)