亜樹の萩尾望都作品感想ブログ

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(35)「ポーの一族」イラスト集~予告・表紙・合同扉絵⑦

⑦は「一週間」「エディス 前・中・後編」のイラストです。予告・表紙・合同扉絵はこれが最後になります。


特に記載のない限り出版元は小学館です。
ほとんどが古い雑誌のコピーの画像ですのでコンディションが良くないものもあります。特にモノクロは不鮮明だったり裏写りしたりしています。また、絵の傾きを補正しきれていません。どうぞご了承ください。
このイラスト集は旧作のレアなイラストをご紹介してファンの方にポーの世界をより楽しんで頂きたいという思いで作りました。萩尾先生ならびに小学館様より削除のご要請がありました場合は速やかに削除いたします。

 


「一週間」

予告カット
別冊少女コミック』1975年11月号

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どちらも花とアランの素敵な絵です。
特にカラーは瞳の緑色がきれいで私のお気に入りです。
モノクロは女の子たちと楽しく遊んでいる時、カラーは1週間で戻ると言ったエドガーの帰りが遅くなって不安な気持ちで待っている時でしょうか。

予告カット
ポーの一族 プレミアムエディション 上巻』2019年刊(2020. 6. 22 追加)

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上のモノクロ予告の完全版です。
掲載誌ではトリミングされていましたが、窓の向こうに小さくエドガーがいます!

カット
『テレビランド増刊イラストアルバム⑥萩尾望都の世界』1978年 徳間書店

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こちらも花の中で微笑むアラン。
この絵は赤い表紙の『萩尾望都作品集〈第Ⅰ期〉』(いわゆる赤本)にも口絵として収められているのですが、初出は不明です。
予告などに使用されたかどうかも確認できていません。
もしかすると予備のカットだったか、予告とは別の用途に描かれたものの使われなかったのかもしれません。

 


「エディス」前編

予告カット
別冊少女コミック』1976年3月号

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タイトルはどちらも仮題となっています。
カラーはエディスを中心に右上から時計回りに、エドガー、アラン、メリーベル、シャーロッテです。
どちらも意味深な絵ですよね。
特にモノクロは背を向け合うエドガーとアランの間にメリーベルがいて、アランの方を見て涙を流しているという…。
これはアランへの涙? エドガーへの涙? きっと2人への涙。
改めて見ると切なくなります。

 


「エディス」中編

予告カット
別冊少女コミック』1976年4月号

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「ん? エディスのはずだけど何だか違う感じ」と思いませんか?
実はこちらの絵は『週刊少女コミック』1974年32号に掲載された漫画家からの暑中見舞の流用なのです。
その画像がこちら。

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この暑中見舞が載ったのは「トーマの心臓」の連載中でした。
ということは、これはもしやエーリク!?
そう思って見ると確かにエーリクに見えます。
別人のようだとは思ったけれど、まさか男の子だったとは!

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「移りゆく時の影に身をひそめ
はるかな旅をつづける
少年たちは今…!?」

こちらのモノクロにも、ちょっとした話が。
実はこのアランは全体の右半分で、本当は左側にエディスもいるのです。
記事(28)でご紹介したTogetterの記事で画像をご覧頂けます。

萩尾望都先生2017年アメリカでの講演会のツイートまとめ - Togetter

薄くて見にくいのですが、スクリーンの下列の右端がこの絵です。
アランの隣にエディスが描かれているのが、おわかり頂けるでしょうか。
とても幸せそうな2人。この幸せがずっと続いてほしかったです…(涙)

予告カット
ポーの一族 プレミアムエディション 下巻』2019年刊(2020. 6. 22 追加)

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上のモノクロ予告の完全版です。
アランの隣にいる少女は顔と髪形はエディスなのですが、金髪に小さなリボンをつけていて少し違う雰囲気。
『LaLa』1976年11月号に掲載された「水色のエプロンの女の子」みたいな感じです。

 

 

「エディス」後編

予告カット

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こちらは本物のエディスです。
上のエーリクと比べると違いがはっきりわかりますね。

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エドガーがとても麗しいのですが裏写りしていて残念。
そこで逆向きではありますが、こちらの絵をどうぞ。
(画像は『別冊少女コミック』1976年8月号「ポーの一族アイロンプリント」より。記事(26)に掲載)

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文は読めない部分もあるのですが、多分こうだと思います。

「エディスを中心にエドガーたちは新たな危機に直面する! 時の流れにさからう彼らの存在にハンターたちは!?」

予告カット
『週刊少女コミック』1976年24号(2018. 9. 18 追加)

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このアランには見覚えがありますよね。
本編の最後から5ページ目、つまり第2シリーズのラスト近くの絵なのです。
それがこちら。

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私などはこの絵を見るだけで胸が詰まってしまうのですが…
とりあえずそれは忘れて予告カットをよく見ると、拡大して比べても確かに同じ絵なのに本編にはない影が付けられています。
先生が原稿をコピーして加筆されたのでしょうか。
本編の絵をそのまま予告に使っている例はよくありますが、このように加工されているのは珍しいです。

 

今後の「ポーの一族」イラスト集は、少し先になりそうですが「1ページ劇場」などをご紹介していく予定です。

 

~2020. 6. 22 追記~


ポーの一族 プレミアムエディション』と「ポーの一族」展図録には、このブログのイラスト集にないカットが3点掲載されています。


リーベルと老ハンナ(メリーベルと銀のばら)
ユーシス(メリーベルと銀のばら)※『プレミアムエディション』のみ
エドガーと眠るアラン(ペニー・レイン)


どれも今のところ雑誌では見つからないので未発表なのかもしれません。