亜樹の 萩尾望都作品 感想日記

*ポー復活で舞い戻ってきたファンがゆっくり綴ります。ネタバレご了承ください

(32)宝塚「ポーの一族」ライブビューイングを観てきました~原作ファンの初ライビュ

前の記事に観劇の感想を書いております。未読の方、よろしければそちらから先にどうぞ。長いですが…。)

(31)宝塚「ポーの一族」東京公演を観てきました~原作ファンの愛のツッコミ - 亜樹の 萩尾望都作品 感想日記


宝塚歌劇の「ポーの一族」東京公演観劇から3週間。
3月25日(日)、楽しみにしていた映画館での千秋楽ライブビューイングに行ってきました。
前日にブルーレイを鑑賞して感動も新たになったところで、いざ!


私はライビュ自体が初体験で、ライビュとはどんな感じなんだろうと思っていました。
お客さんは観ながらどう反応するのだろうか?
考えられるパターンは


①映画のように静かに鑑賞する
②宝塚の舞台のように拍手だけする
③コンサートのように一緒に歌う、またはセリフを言う


結果、会場によっても違ったかもしれませんが、私が行ったところは①でした。
皆さん、しーんと静まり返って食い入るようにスクリーンを見つめている。
そこで私も拍手したくなる気持ちを抑えてスクリーンに集中しました。

 

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館内壁面のチラシ

 

ライビュの映像って、とてもいいですね。
私は劇場では1階の後ろから2列目の席だったので、全体は見渡せるけれど表情を見るにはオペラグラスが必要でした。
でもライビュでは全体とアップの映像をうまい具合に切り替えてくれて、アップはオペラグラスを使うよりずっと大きく見えるんですから。


その点はDVDやブルーレイも同じですが、こちらは1月19日の宝塚大劇場公演を収録したもの。
初日から3週間もたっていない頃の映像です。
それに比べると東京の千秋楽は3か月間公演を積み重ねてきた集大成と言えるわけで、演出も変わっているし、出演者の方々の演技もぐっと深化していると感じました。


明日海りおさんは完璧なエドガーで、フィナーレの最後に大階段を降りてきた時は達成感・充実感にあふれた最高の笑顔でした。
アラン役の柚香光さんは特に深化が感じられ、原作のアランと重なって見える瞬間が何度かありました。
華優希さんのメリーベルも良かったですし、組全体のアンサンブルがますますレベルアップしたように思いました。

 

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ブルーレイに付いていたブックレットの表紙

 

以下は極めてマニアックな気づき2題です。


1
前の記事にも書いた、エドガーがアランを迎えに行くことを決意した時に見せるバンパネラの小さな笑み。
これがブルーレイの映像にはなかったので、「あれ、自分の見間違いだったのかな?」と思ったのですが、ライビュでも一瞬笑みを浮かべていました。
いつからか解釈が変わったのでしょうね。


2

ラストのギムナジウムの場面。
ブルーレイを観ていたら最後の最後にエドガーとアランにスポットが当たって、


エドガー、客席から見て左方向に顔を向ける
 ↓
アラン、やや後方からエドガーの肩に手を置く
 ↓
エドガー、振り向く
 ↓
2人、微笑みあう


きゃあ~~~!
これってまさしく「小鳥の巣」の最終ページじゃないですか!
しかも私の大大大好きなコマですよ!!
でもこれ、観劇した時にはなかった気がする…。
そこでライビュで気をつけて観ていましたが、やはりありませんでした。
うう、残念です。どうしてやめちゃったんでしょうか? やってほしかったのになあ。まあ、ブルーレイを観ればいいという話ではありますが。
ついでと言っては何ですが、前の記事に書いていなかったことも。
この場面の柚香アランは人間時代と明らかに違う完全なバンパネラに変化していました。
2人が寄り添って立っている姿は「小鳥の巣」そのものでゾクゾクするほど嬉しかったです。


おまけ
友人が「婚約式の場面にクロエはいないか」と言っていたので探してみましたが、式には欠席だったようです。
その頃のクロエが別人のように若く美しくなっていたなら、わかりませんが。


さて、劇場・ブルーレイ・ライビュと3回観た今、楽曲の良さがとても印象に残っています。
特にプロローグと1幕ラストの総出演でのコーラスが圧巻でした。
そして驚いたことに、頻出する「愛」と「絆」に対する最初の頃の強い違和感がだんだん薄らいできて、すでに「まあいいか」という心境になりつつあります。
これぞ宝塚の魔法でしょうか。

 

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ブックレットの裏表紙

 

ライビュは楽日の夜の部だったので終演後に退団する方々のセレモニーがあり、そこまで中継を観ることができました。
全員による「TAKARAZUKA  FOREVER」の合唱を聴いて、私も一気にヅカファン時代にタイムスリップ。


当時はカーテンコールの習慣がありませんでしたが、今は楽日に必ず行われているんですね。
それを観られたのも嬉しかったです。
この日、カーテンコールは3回も。
1回目は全員で
2回目は明日海さんと退団する方々(最後は全員)
3回目は明日海さんだけ(最後は全員)
しかも3回目の緞帳が降りてからも拍手が鳴りやまず、ついに緞帳の前に明日海さんがカニさん歩きで登場して(大きな羽根を背負っていて普通に歩いては通れないので。その姿がとても可愛い)、「この場に立つのは組替えの挨拶の時以来です」と。
劇場にいらしたお客様、ライビュ会場の私達の分まで拍手してくださってありがとうという気持ちでしたね。


明日海さんはカーテンコールの挨拶の中で「ポーの一族」についてもお話しされていました。
例によって正確な言葉ではありませんが覚えている範囲で。


「永遠の時を生きるバンパネラにとっては瞬きしたかしないか位の時間ですが、期間が通常より長めの公演を無事に終えられて感無量です」

 

「生きていれば皆さんもいつかエドガーに会えるかもしれません。その時は……よろしくお伝えください(場内爆笑)」
(その後に「『覚えているよ』くらいは言ってくれるかもしれません」と続けられていました。あのセリフを! なのに私ときたら何をボーッとしていたのかすっかり忘れていて、ネットで話題になっているのを見て思い出しました。面目ない。)

 

「明日から公演はありませんが……後は皆さんの心の中でどうにかしてください(場内爆笑)。DVDもありますし、萩尾望都先生の原作もありますし」


ええっ!?
でも確かに生徒さん達はすぐに気持ちを切り替えて次の公演の稽古に入るけれど、まだポーの世界に浸っていたいファンは置いてきぼり状態なんですよね。
残された映像や原作でどうにかするしかない。私は5月末から始まる新連載を楽しみに待ちます ♪


ライビュの後、一緒に行った妹と「ああ、いい舞台だったねえ。観られて幸せだったねえ」としみじみ話しました。
明日海さんの在団中に再演しない限り、もうこのキャスティングでは上演されないのですよね。
これほどクオリティの高い舞台を実現させた以上、ハードルを下げて再演というのはしてほしくない。
となると、これはきっと伝説の舞台になるのでしょう。
それを観ることができて本当に幸せだったなあと思います。


★★★★★★★★★


記事はここで終わるつもりでしたが、ふと立ち寄った書店で現在発売中の『宝塚GRAPH』2018年4月号に明日海さんと柚香さんのトークが載っているのを発見!
大劇場の初日から3週間たった頃(DVD・ブルーレイ収録の直後頃)のトークだそうで、公演について3ページに渡って語り合っておられます。
お2人が原作を読み込んだ上で小池修一郎さんの創る世界で役を深く掘り下げ、日々変わる感情を大切にしながら演じていることがわかり、原作ファンとしてとても嬉しいです。
お2人だけでなく出演者の方々は皆さんそうなのでしょうね。


トークでは原作にふれている部分もありましたので少しだけご紹介を。
「小鳥の巣」でアランに「たかだか百年がた よけいに生きてるからって いばるな…!」と言われたエドガーが、アランの頬をピシャリとやって「だれにものを言ってるんだ え?」と言う場面がありますが、明日海さんはそのセリフを「言いたかったあ~!」とのこと。
柚香さんは「絶対超怖いですよ(笑)」と応じていらっしゃいます。
明日海エドガーと柚香アランのその場面、私も観たかったあ~!